私的 本まとめ

自己の脳内シナプス伝達強度増加させるべく、読んだ書籍の内容をアウトプット。読む目的を設定し、その目的に沿った部分を抽出して紹介します。かなり内容をすっ飛ばしているので、気になったセンテンスを見つけたら、ぜひ本を手にとってみてください。目標ペースは1冊/Week。

クリティカルチェーン

読書目的

長年プロジェクトワークをしてきた経験と照らしあわせて読んでみる。知識補完。

本まとめ

・不確実性こそがプロジェクトの本質

・遅延プロジェクトのプロジェクト・リーダーの言い分にはすべて不確実性が絡んでいる

・すべてのプロジェクトには不確実要因が存在しており、これが多くの問題の根源的な原因になっている。だからプロジェクトの計画にあたってはセーフティーを沢山組み込む。

・たった数パーセントの予算を削ろうとして、ペイバックが倍に延びることがよくある

・進捗状況レポートが手元に届いて、問題が発生していることに気づいた時には、たいていもう遅すぎる

・プロジェクトの9割は1年で完了、残りの1割を完了するにはあと1年かかるーーー進捗状況レポートにはそんなことしか書かれていない

・目先のことしか考えないプロジェクト・マネージャーだったら、問題が発生して作業が遅れるパスが出ても、無視することはできる。数字だけ見れば、プロジェクトははかどっているように見える。ちゃんと仕事をしているように見える。しかし、それは少しの間だけだ。他のパスの作業が全部完了して、遅れているパスの作業だけが残る。その時に、ああ間違っていたんだなと気づく。

・”うまくマネジメントする”とは、コストをしっかり管理すること、スループットを守ること。つまり必要な製品を必要なクライアントに対価を払ってもらえるようなカタチで届けなければいけない。

・コスト管理とスループット維持。このふたつは絶対的に必要な条件で、どちらが欠けてもだめ。

・コストワールドとスループットワールド

スループットワールドを考えるとき、重要なのは一つひとつの輪だけでなく、輪同士のつながり。鎖の強さ。鎖の強さは強度の一番弱い輪によって決まる。一番弱い輪以外をいくら強くしても、鎖全体の強度は一切増さない。改善努力には時間とお金、そして労力が伴う。組織全体の改善を図るには、部分的にいくらたくさんの努力を行なってもダメだということだ。

・月末症候群:月の初めは、コストをきちんとコントロールする。残業も極力抑える。しかし、月末になると、そんなことを言っている余裕などなくなる。早く出荷するためなら何でもありになってしまう。月初はコストワールドに従ってマネジメントしているのだが、月末はスループットワールドに従っているのだ。

・”選択と集中”。注意が散漫なマネージャーは、コストを管理することもスループットを守ることも出来ない。

・”パレートの法則”。主な問題の20%に注意を集中することで、利益の80%を得られるという法則。

TOC(Theory Of Constraints)

  • ステップ1:制約条件を見つける
    • 物理的な制約条件:機械や設備などのボトルネック
    • 方針上の制約条件:会社の方針が適切でない、間違っているような場合、これも制約条件になる
    • ボトルネックを強化する方法
      • キャパシティの追加:人を雇う、機械を増やす
      • 既存のキャパシティからアウトプットを最大限引き出す→ステップ2
  • ステップ2:制約条件を徹底活用する
  • ステップ3:他の全てを制約条件に従属させる

スループットワールドにおいては、集中プロセスと継続的改善プロセスは同じことなのだ。

 →鎖の例えでいうと、一番弱い輪を強くすると、鎖全体の強度が高まる。更にこの鎖を強くする。鎖の強度はさらに高まる。そして、さらにもう一度この環を強くする。しかし、今度は何も変わらない。→この輪はもはや制約条件ではない。となると、今度は惰性を避けて、ステップ1に戻る。

・問題が発生した時、これを解決するにはまず問題が何かを正確に認識しなければいけません。

・マネージャーの目標は、仕事をうまくマネジメントすることである。

 →上手くマネジメントするための必要条件

  ・コストを管理すること

  ・スループットを守ること

   →しかし、コストワールドとスループットワールドはお互い相容れず、コンフリクトする。

・優れたコスト・パフォーマンスを実現するには、優れたローカル・パフォーマンスを図るしかない。これが間違っている。

TOCを一度理解すれば、この世の中にはいくつもの制約条件のあるシステムなど、存在し得ないことが理解できる。そんなシステムは、もともと存在し得る前に抹殺されてしまう。現実のシステムには1つ、多くても2つしか制約k条件が存在しないのである。

・必要なものが全部準備されていれば、自分の仕事を時間内に終わらせるのは大して難しくないと多くの人がいう。

・メンバーの意見:仕事を遅れずに完了するには、周りの人次第。周りが遅れないでちゃんと仕事をしてくれるかどうか、同時に他の仕事をいくつも押し付けられないかどうか、それ次第である。

・予定より早く作業を終わらせても、最初のステップはそれを報告しない。現状の仕組みでは、作業を早く終わらせても何もご褒美はもらえないから。いやそれどころか、ペナルティーが課される。

・作業が早く終わっても、それは報告されない。たとえ報告されたとしても、早く終わった分の時間は次のステップで活かされることはない。ただ浪費されるだけ。

・一つひとつのステップのパフォーマンスを守ろうとするーーーこれはコストワールドの考え方。重要なのはプロジェクト全体のパフォーマンスーーーこれはスループットワールドの考え方。

・学生症候群:セーフティが必要だと騒ぐ。そしてセーフティをもらう。でも時間的に余裕が出来たからといって、すぐに作業は始めない。結局ギリギリになって始める。それが人間というもの。

・だけど、実際に作業を始めるまで、問題があるかどうかはわからない。

・優先順位は、誰がどれだけ大きな声をだしたかで決まる。どのタスクが本当に緊急なのかがわからない。

・リードタイムにとって、最大の敵は作業の掛け持ち

・セーフティは一番役に立つ場所に置く。保護すべきなのはクリティカルパスの完了期日。セーフティはすべて、クリティカル・パスの最後に置く。

・セーフティの他に、プロジェクトバッファーも用意する。

・製造で非ボトルネックで発生する問題からボトルネックを守る方法は、ボトルネックの前に、仕掛り在庫のバッファーを置く。プロジェクトにおいては、在庫の代わりにタイムバッファーをおく。クリティカル・パスに合流する合流パスがクリティカル・パスと合流する地点にタイムバッファーが必要だ。

・リソースバッファー

・リソースネックにならなないために:クリティカル・パスでの作業が始まる一週間前に、担当者にそのことを伝えておくだけ。それから3日前に再度担当者に連絡する。重要なのは、クリティカル・パスでの作業が始められる段階になったら、他の仕事はとりあえず忘れてクリティカル・パスでの作業に集中しなければいけないということをみんなが理解していることだ。

・どんな時でも周りの協力は必要だ。ちゃんと説明して納得させたうえで、協力してもらわないといけない。ただ、人に命じて仕事をさせる時代はもう終わった。みんなに自分で考え、自らイニシアチブをとってもらうには、ただ命じるだけではダメなのだ。

・プロジェクトに関わっている人はたいてい、プロジェクトの完成が遅れることによって毎月どれだけの損失が出るのか、はっきりとは認識していない。プロジェクトが遅れることによってどれだけの損失があるのか考えて欲しい。

・制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)は、「システムのアウトプットは、その最も弱い部分の能力で制約される」というものだ。

・プロジェクトはドラマではない。いや、ドラマにしてはいけないのである。プロジェクトは、予定通り淡々とゴールに到達するのが本当の姿だ。プロジェクトをドラマにしないやり方、プロジェクトをうまく運営する技術がプロジェクト・マネジメントだ。

・浮いた時間は無駄に消費される、学生症候群、掛け持ち作業の弊害