レバレッジ人脈術
本まとめ
■プロローグ
・誰を知っているかではなく、誰に知られているかが重要
・人脈とは、情報を交換したり、人を紹介したり、刺激し合ったりして、一緒に成長していけるマインドの高い仲間のこと
・つまり、仲間内に意識が伝染し、「難しい」と思っていたことが簡単になり、「できない」と思っていたことが可能になる
・「未来人脈」は自分から意識してつくっていかないと、作ることはできない
・人と会うには事前のインプットが欠かせない。人にアウトプットできるもの、貢献できるものがなければ、なかなか会ってくれないだろうし、その出会いが価値あるものになっていかないだろう。だから、インプットのためには自己投資が必要。会う人の数が多ければ多いほど、その質も量も増やしていく必要がある。つまり、それをきっかけに自分も切磋琢磨できるわけだ。
・一日でも早いほうが複利効果で大きくなるように、人脈づくりもまた、早く始めたほうが成果は大きくなる
■Leverage1 レバレッジ人脈とはなにか
・「人間関係の能力をもつことによって、よい人間関係がもてるわけではない。自らの仕事や他との関係において、貢献を重視することによって、よい人間関係がもてる。こうして人間関係が生産的となる。生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である」(「経営者の条件」P.F.ドラッカー)
・「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることの出来る能力である」(ヘンリー・フォード)
- 「ギブ・アンド・ギブ」ではなく「コントリビューション」が基本
- 最も大事にしているのは「コントリビューション」
- 人に会う時は、まず「この人に対して自分はどんな貢献ができるか」を考える
- ギブ・アンド・テイクは論外
- コントリビューションは、それ自体を「楽しい」と感じながら行えればいい
- レバレッジ人脈術では、短期で人脈をつくることはできない
- 人脈とは、自分の大きな目標に沿って、ゆっっくりとつくられていくもの
- いざ必要になってから急に人脈をつくろうと思っても、もう遅い
- 自分が何をしたいのかを明確にし、人のつながりを大事にし、マインドの高い人とのつながりをつくっていくというスタンスでいいのだ
- アーリーステージの頃に出会い、一緒に成長していったほうが、お互いに得られるものはずっと大きくなるはず
- 有名人と知り合いになるメリットは少ない
- 「自分だけメリットを得たい」という人は、なかなかよい人脈を築くのは難しい
- 人に頼ったりお願いしたりするのではなく、あくまでもコントリビューションで関係を深めながらお互い切磋琢磨し、関わった全員が相乗効果を得ていこうという精神
- 一方的に誰かをリスペクトするのではなく、お互いにそういう部分を持ち合うのがポイント
- 人脈づくりはすべて自己責任
- 騙されたりしたら、むしろ自分に人を見る目が足りなかったと考えるべき
- 人を見る目とは、その人と自分の温度差や相性、あるいは人間性を見定めるということ
- その判断基準の1つは、「自分の大事な人に紹介できるかどうか」
- もうひとつあげるとすれば、「その人と長期的につきあっていけるかどうか、想像してみる」のも有効
- 3つの価値を理解する
- 相手の時間価値
- 相手の情報価値
- 相手の人脈価値
- 相手はそれぞれ限られた時間を過ごし、努力の上で貴重な情報や人脈を構築している。これら貴重な財産を絶対的に尊重する必要がある。
- 人脈づくりの6つのタブー
- 名前も言わずにお願いする
- 普通は名前ぐらい隠し、こういうことをしていますという自己紹介もするもの
- 相手の都合を考えないアプローチやコンタクトをする
- この人は相手のことを考えない人だと、きっと思われる
- 自分の話しかしない
- 意味のない紹介をする
- 人を紹介するのは重大なことだ。紹介者自身が試されるといっても過言ではない。そういう場をつくるということは、自分も含めて三人の時間を割くことになる。そこに意味がなければ、まさに時間の浪費になる。
- もし意味のない紹介をしてしまうと、それはあなたの信頼にも関わってくる
- お願いばかりする
- 重要なのは、紹介して下さい、と人に頼むのではなく、まず紹介してあげたい人に思われるような関係をつくること
- 自分のプロフィールなりアイデアなり企画なりをまとめるほうが先
- メンターになることを依頼する
- メンター:心の師として、その人の本を全て読んだり、講演会に何度も通ったり、なにか決断を迫られたときに「あの人ならどうするか」と考えたりするものだ
- メンターはこうして自分の心の中に描けばいいものであって、相手にそれを表明する必要もない。まして依頼するものでもない。
- コントリビューション・4つのレベルを理解する
- 人脈づくりは、会いたい人にアプローチし、実際に出会い、その関係を継続し、お互いに成長・発展するという4つのプロセスを辿る
- LEVEL1 情報:広く一般に出ている有益な情報を提供すること。雑誌の切り抜き、新聞記事など、メディア系の情報を提供することなど。
- LEVEL2 プレゼント:たとえば、相手に合いそうな本を見つけたのでプレゼントする、というレベル
- LEVEL3 ノウハウ・アドバイス:特定の相手になにか聞かれて、具体的なノウハウ・アドバイスを教えて上げるのがこのレベルです。
- LEVEL4 コネクト:相手の役になるメディア、クライアントやパートナーになる人などを紹介するというレベル ←このレベルになるとお互いの人脈に大きなレバレッジがかかる
- 会いたいと思わるる人になるには
- 人脈づくりの上手い人とは、他の人からこの人に会いたい、この人と仕事をしたい、この人に何かやってあげたい、と思われるような人です。
- 条件1:インプット
- インプットが少ない人はアウトプットも少ないので、他の人にとっては会ってもあまり楽しくない
- 条件2:魅力的なプロフィール
- 相手にこの人はなにか面白そうだな、会ってみたいな、と思ってもらえるようなプロフィールが必要
- 自分のブランディングができているか
- アプローチを受けた側は、せっかく来てくれるのなら、何かコントリビューションできないだろうかと思うはず
- 人が会いたくなるような魅力的なプロフィールを書いてみよう
- パーソナルブランディングの第一歩は、自分のプロフィールを書いてみること
- 仕事の話だけでなはなく、趣味や個人的に挑戦していることなども書き加えておくこと
- 今の段階では、魅力的なプロフィールが何もないという人:自分はどうなりたいのか、どういう人と一緒にビジネスをしたいのか、といったことを思い描くことが大切。つまり、将来の自分に対する理想のイメージをつくっていく。そのうえで、今の自分とのギャップを埋めていく、またはそれに対して自己投資をしていけばいい。
- プロフィールをつくり上げることは、そのまま自分の目標感と直結する
- 本を出すことは個人のIPOのようなもの
- 本を出す近道も、人とのつながりにある
- もう一つ重要なポイントは、本の出し方を知っているか知らないかということ
- 価値のある情報があったりユニークさがあれば、本になる可能性は十分にある
- 編集者は常に面白い情報、新しい著者を探している
■Leverage2 会いたい人に接触するアプローチの方法
- 知名度よりマインドの高い人を選べ
- 自分と波長が合う、自分とマインドが似ている、モチベーションの高さが同じ、自分のやりたいと思っていることが通じ合う、といった部分は欠かせない
- 会いたいと思ったら即メール
- 前述の3つの価値と6つのタブーをよく理解したうえで、まずはメールを送ってみる
- 大前提として、相手に会いたいと思ってもらえる努力をする必要がある
- 相手にどのようなコントリビューションができるのか、ということ
- もしコントリビューション出来るものがないのなら、今アプローチすべきではない。そういうものが出来るまで、時期をあらためたほうがいい。
- 相手のことを調べ尽くせ
- サイトを持っていればすべて目を通す
- ブログを書いていればすべて読む
- 本を出していれば全て読む
- 講演会・セミナーをしていれば受講する
- 経営者または会社員の方なら、その会社のことも調べる
- 例えばその人のブログにこんな情報を探している、とかこんなことに興味がある、といった記述があれば、それについてこんなにおもしろい話がありますよ、というメッセージを添えてコンタクトをとることができる
- 自己紹介は時間の無駄
- 同じ時間を使うなら、お互いにとってもっと有益な話をしたほうがいい
- 事前に相手がどういう人かわかっていれば、それならこの本を紹介しよう、とか、この雑誌の記事を渡せば喜んでもらえるかもしれない、など、当日までにコントリビューションをいろいろ考えたり、準備したりすることができる
- 仮に自分が相手に有益な情報を持っていたとしても、実際に提供できるのは次回以降になってしまう。効率悪い
- 飛び込み営業で成功するはずがない
- 営業には、飛び込み営業と、相手のニーズに合う提案をするコンサルティング営業の2種類がある
- 効率的なのがコンサル営業。相手のニーズを聞いたうえで、自分の持っている能力を提供する
- 自分の情報を提供することで、相手からもっとリアルな情報を教えてもらえる→これを10件も繰り返せば、業界の人より業界に詳しくなる→貰った価値いある情報を提供すると、さらにいい情報が得られる。こうしてインプットとアウトプットを繰り返す。→彼はいつもいい情報をもってきてくれる、と思ってもらえるようになり、信頼感につながっていった。
- 短いメールに感情をのせる方法
- あえて感嘆符を多用する
- よろしくお願い申しあげます、よりも、よろしくお願いします!!
- なるべくカジュアルに書くこと
- 宛名は「〇〇さん」
- お世話になっております、とかいらない
- 今度、近いうち、は永遠に来ない
- 人とのつながりはタイミングが重要。だからもし気があって約束をするののら、その場で、具体的に日時と場所まで決めてしまう必要がある
- 著者の場合は、「何日と何日が空いているので、この時間でどうですか」といくつか候補日を挙げ、すぐに空いてに選んでいただくようにしている。
- 人脈づくりに使えるLinkedin
■Leverage3 うまくコミュニケーションをとる方法
- 楽しく、早く、いい仕事をして、人に喜んでもらって、自分もハッピーになりたい
- 少ない労力でおおいに喜ばれる貢献とは
- 初期段階でのコントリビューションは主に情報の提供
- ただ情報といっても、初期段階ではさほどレアなものである必要はありません。新聞や雑誌の記事や、読んだ本の内容などで十分。その中から、相手に役立ちそうなものや、面白がってくれそうなものを選んで紹介する。
- 情報提供にはルールがある
- 自分自身が常に情報収集を怠らないこと
- 自分の得意分野から提供すること
- 提供する相手は慎重に選ぶこと
- 相手にニーズも興味もないものを提供しても、まったく意味がない
- 人との会話は10対90で聞き役に回れ
- 求められない限り、こちらからは話さない
- 人に教えることができるものを持て
- 海外で現地の人とつながりを作るためには、何か教えてあげられるものをもっているといい
- ワインアドバイザー
- 茶道
- スポーツコーチ
- お店紹介もコントリビューション
- 人と会うならホームに呼び込め
- 会うのはどこでもいいと相手が行ってくれたら、確実にホームを選ぶべき
- 相手がどうしても行きたい店があるという場合を除き、基本的に自分で選ぶ
- サービスがよく、大将の人柄がよければ、それだけで十分
■Leverage4 人脈を継続させるには
- 「ひとりメシ」はビジネスチャンスを逃す(「ドットコム仕事術」大前研一)
- その人と会うことで、あなたの人生が変わるかもしれない。覚悟して会おう(中谷彰宏名言集)
- ネットワーク構築までの3ステップ
- 人とのつながりは、実際に一度会うことより、その後、関係を継続することのほうが難しいかもしれない。それを可能にし、軌道に乗せる一助として、あった後の的確なフォローは欠かすことはできない。
- 1対1で会う
- 最初はマンツーマンで会うことが基本
- 限られた時間で複数の人と話すということは、一人あたりのコミュニケーションが薄くなるということ
- だから最初はできるだけ1対1で会った方がいい
- 1対多で会う
- お互いがどういう人を紹介するか、それぞれにセンスが問われる
- 多対多で会う
- このステップをきちんと踏んでいかいないと、信頼関係に基づいた人脈になっていかない
- 思わず紹介したくなる人の5つの条件
- 紹介を頼まない人
- 長期的にとらえれば、紹介は必然的に起こる
- コントリビューションベースのの関係にある人
- 自分が相手に対し、相応のコントリビューションができるという確信がなければなりません
- 相性が合う人
- やりたいことが明確になっている人
- マインドの温度差がない人
- →長期的に人脈を考えている人が、思わず紹介したくなる人なのだ
- 人とあった後は、必ずフォローを
- フォローが大事、とはよくいわれることだが、実践している人は意外と少ないようだ。だからこそ、その部分をきちんと徹底すれば、人脈は確実に広がっていく。
- 営業でも、売り込むだけ売り込んだあと、何も連絡をしなかったとしたら、客はこの人から買ってよかったのだろうかと不安になる
- 人と会うということは、自分の時間をそこに投資しているということ。フォローしなければ、その投資は意味をなさなくなる。その人と今後もつながっていたいと思うなら、ほんの少しの手間を惜しむべきではない。たった5分のフォローをするだけで、成果はきちんと返ってくる
- 最大のポイントは出来るだけ早い段階でコミュニケーションをとること
- 基本的には何を置いても「お礼」
- 何もリアクションがないと、誘ったことが迷惑だったのか、つまらない思いをさせてしまったのかと不安になってくる
- メールのやり取りは常に待ちの状態に
- できるだけ、自分が返信の最後になるようにしている
- もしメールがいつまでも続くようなら、それは気が合う証拠
- やがて、だったらもう一度会いますか、というステップに進んでいく
■Leverage5 レバレッジ・ネットワーク構築でお互いに成長する
- 人を押しのけて、その分まで自分の利益にする人と、人も自分も、どちらも利益が得られるようにする人。どちらが優れているかは、明らかである(渋澤健)
- 「熱のある場所に自らを持っていく」ことである。それは急成長している会社かも知れないし、何かの目標に向かって勉強している人たちが集まる学校のようなところかもしれない。熱は伝導するものだから、熱のある場所に行くようにすれば、そこから熱をもらってくることができるものなのだ(「あなたが年収1000万円稼げない理由」田中和彦)
- レバレッジネットワークのメリット
- 人脈はその気になれば加速度的に広がっていく
- 人脈は1対1の関係からスタートする。それが1対多を経て、多対多になれば、強力なレバレッジ・ネットワークとなって自然に拡大していく
- その成果を象徴するのが「会」。開く度に面白い人が増えていくような状況になるだろう
- 一人で何かアクションを起こすより、ネットワークを活用したほうがはるかにパワーを持つことができる。これがレバレッジ・ネットワークの威力である
- 人脈は、囲い込まないほうが広がる
- 自分がおもしろいと思う人は、他にも面白い人を連れて来てくれる
- 人脈は、囲い込んだ瞬間、広がらなくなる
- 囲い込まず、オープンにしているからこそ、こういう新しい動きが次々と生まれてくる
- 自分がコネクターになってどんどん人をつなげてしまったほうがいい。その人たちがレベルアップしていけば、自分にとってプラスになることも必ず出てくる。人脈も質・量ともに格段に向上するはず
- 何かの共通点を見つけ、会をでっち上げろ
- 人の輪というものは、何らかの共通点があると溶け込みやすくなるもの
- 要は自分で何らかの共通点を作ってしまえばいいわけだ。それも、相当に強引でもかまわない。(例えば1978年会)
- 紹介制でメンバーを守れ
- 希薄化で会は崩壊に向かう
- とりわけ気をつけたいのが、コントリビューションどころか、会を営業の場と考えている人、セールスやお願いばかりする人。本人はチャンスと捉えているかも知れませんが、実はチャンスでも何でもない。次回から呼ばれなくなってしまうだけだろう。こういう人が参加してしまうと、大切なメンバーが参加を見合わせてしまうかも知れない。そうなると、ますます希薄化が進む。つまり、会が壊れてしまう。
- 会同士を結びつけるコネクターを目指せ
- コネクターの条件
- 長期的な視点を持っている
- コントリビューションの姿勢である
- 参加者のニーズを理解している
- 二次会は不要。その代わり1次会を長く
- パーティーは必ず立食形式で
- 回遊できる形にして、大勢とコミュニケーションが取りやすい場作りをすることが重要
- 主催者挨拶などは行なわない
- コントリビューションできない会には、参加しても意味がない
- 判断基準
- 会の目的がはっきりしている
- 参加者がフォーカスされている
- 自分が参加することでコントリビューションできる
- 人脈は基本的に、ウィン・ウィンを目指すためのもの
■あとがき
- コントリビューション自体が喜びであり、楽しみだからだ。「あの人にこういうことをしたら喜んでもらえるかな」と考えるときのワクワク間、実際に喜んでもらえた時の充実感、そして、そこから人とのつながりが生まれ、ともに高め会えるような高揚感。そのつながりが国を越え、世界レベルでつながっていくこと、これらはすべて、人生の喜びといっても過言ではない
- 人間が一人でできることは限られている。しかし仲間がそろえば、自分でも信じられないほどのパワーを持つことができる。苦労して達成するというより、一緒に高い志を抱いてともに歩み、達成していくという感覚。
- 人は人に触発される存在だと思うんです。素晴らしい絵を鑑賞して画家になる人もいれば、素晴らしい音楽を聴いて音楽家になる人もいる。それと同じように、私は一流の経営者との交遊を通じて、「経営者」になったのだと思っています。(御手洗)
■人脈づくりのチェックリスト
- コントリビューションベース
- 長期視点
- 知名度よりマインドの高い人を選ぶ
- 自分だけ得をすることを考えない
- 共生系の人脈
- B/S型ライフスタイル
- 人脈は自己責任
- 時間価値、情報価値、人脈価値を理解
- インプット・自己投資
- 事前自己紹介
- 魅力的なプロフィール
- 相手のことをよく知る
- 相手の都合を考える
- 相手の話を聞く
- 意味のない紹介をしない
- お願いをしない
- メンターの依頼をしない
- メールに感情を乗せる
- 情報提供・発信
- 人に教えることができるものを持つ
- いいお店をもつ
- ホームを持つ
- あったらフォロー
- 共通言語を持つ
■会主催のチェックリスト
- カテゴリーを絞る
- 囲い込まない
- 紹介制にする
- 温度差がないようにする
- 共通点を見つける
- 2次会をやらない
- 立食形式
- オフィスを人が集う場所に