私的 本まとめ

自己の脳内シナプス伝達強度増加させるべく、読んだ書籍の内容をアウトプット。読む目的を設定し、その目的に沿った部分を抽出して紹介します。かなり内容をすっ飛ばしているので、気になったセンテンスを見つけたら、ぜひ本を手にとってみてください。目標ペースは1冊/Week。

私が会社を変えるんですか?

読書目的

自分が取り組んでいる仕事でもある業務改善の現場を、経験型の書籍でリアルに追体験するため、また、そこから実践できること盗み取るため手にとった。

欠点を一生懸命に補うアプローチは100点を目指すことでしかない(しかも100点を取るのは往々にして難しい)、そうではなく強みや長所に目を向けて、200点でも300点でも目指そうというAIの発想に強く惹かれた。

自己変革なくして風土改革なし。

 

本のまとめ

第一章 ある組織変革の挫折と成功

・社長の威光をカサにきて、コンサルが作った借り物を、上からああしろこうしろと言ってくるエリート集団。それが一般社員にとっての業務改善プロジェクト。

・社員たちがチェンジエージェントや業務改善プロジェクトメンバー「エリート」とみなし、役員たちが「社長直轄の煙たいやつら」とみなしているのと同じように、こちらも相手を上から見下ろして、理解の悪い相手をなんとか導いてやる、という気持ちになっていないか。

・「ダメな会社を救世主たる自分が変えてやる」という態度は「傲慢」

・あなたは、自分が正しいと思うことを、周囲に押し付けていないか? 「押し付け」ではなく「対話」を

・組織改革は「社員一人ひとの気持ち」「感情」「生々しさ」などを視野に入れずには不可能

・議論中、どこか釈然としないふうのメンバーがいれば、「君、何かある?」「納得いってないようだけど?」と問いかける。つまり、メンバーの意見を徹底的に引き出す。

・「指示待ち風土」:仕事の仕方は上が決めるもの、と思い込んで自分から動かず、だんまりを決め込んでいる。

・「守旧風土」:変化の激しいIT業界に身を置きながら、今日と同じ業務を明日以降も続けていければよい、とかん違いしている。それではダメだとわかっていても、うっかり提案をすると言い出しっぺにお鉢が回ってくるのを恐れて黙る。

・不満は望みの潜在形、不満の裏の希望を引き出す

・意識しなくてもコミュニケーションを取れるようになる:メールに頼らず、可能な限り直接話し、最後まで聴く

・コンサル依存を脱却し、自分で考えること→ネガティブ思考を脱却し、自分の属する組織の良さに目を向けること

・人を動かす愚直さ

・不満を吸い上げてそれを解消する工夫を続ける・・・一見あたり前に見えるプロジェクトの作業は、じつは「欠点がとくにない状態」を目指しているにすぎない。

 

第二章 組織改革の「罠」に陥っていないか

・組織改革という「集団の有機的変化」は自発性に基づいて行われるもの。一人の人間が上から呼びかけたり、外部の人間がアドバイスを行うことも「援護射撃」としては必要だが、それは本質的な部分ではない。

・チェンジエージェントの真の覚悟:「どんな会社であっても、どんなにやる気のなさそうな社員であっても、「必ず可能性がある」と信じること」

・組織改革の壁:「セクショナリズム」自分が統括する部門・部署のメリットを第一とする考え方

・コンサルのメリット:社員たちがしがらみや利害関係にとらわれて言い出せないことでも、客観性を持って遠慮なく問題点を指摘してくれる。煮詰まりがちな議論を打開し、社員同士の駆け引きを超えた解決策を提示する。

・イギリスの政治学者パーキンソンが提唱した、「パーキンソンの法則」。いわく、「会議にかかる時間と、討議される案件の予算は反比例する」

・なぜうまくいかなかったのかーこの問は、他者に向けてはいけない。コンサルタントが悪い、社員が悪い、プロジェクトが悪いと言うのではなく、辛くてもまず「自分の姿勢はどうだったか」を考えるとき、学ぶ力はアップする

・変革は1つの生物である。花を突然実に変えたり、赤ん坊を突然大人に変えたり、などというコントロールはできない。できることは水をやったり肥料をやったりとサポートすること。命が育まれていく過程をゆっくりと見守り、邪魔をしないこと。「早ければ早いほどいい」という考えは捨てる。

・重要なステークホルダーに対しては、とにかく「敬遠しないこと」が大切。「決済前に、意見を聴く」などの根回し、「統括部署の悩みを吸い上げておく」などのフォローが彼らの信用につながる。

・コンサルが問題を指摘して、外から指示しても変わらないのであればすべきことは何かー「ファシリテーション」。会社が変わる原動力は「自発性」と「心」。つまり会社の力を引き出すためには、社員の相互コミュニケーションの活性化を図り、そのために力を注ぐ存在が必要。そんなときに、社内の利害関係から自由な存在であるコンサルが能力を発揮できる場面。こうしたファシリテーター型のコンサルが養成され、活躍するようになることが、日本企業にとって、どれだけ有益か計り知れない。

 

第三章 AIで組織は必ず変わる・伸びる

・AI:appreciative = (形容詞)進化を認めるような、inquiry = (名詞) 探求/発見/問いかけ

・AIは、会社の問題点を一切追求しない。反対に会社のもつ「良いところ」「長所」「可能性」にスポットを当て、社員一人ひとりにそれを問いかけながら引き出す。

・「組織を良くするには、欠点を探し出して残らずそれを解消することだ」という発想は一見合理的に見えるが、これは「欠点のない状態」=「百点」という枠を自ら設定し、縛り付けることにつながる。さらに「百点」は欠点を排除しても排除しても、なかなか到達できないのが現実。

・「何が問題なのか」という問いは「誰が悪いのか」へと繋がる。欠点追求はともすれば部門攻撃、個人攻撃へとシフトする。

・我々は「ネガティブなこと」には敏感に反応する。しかし「ポジティブ」に目を向ける習慣はまだ育っていない。この会社の強みは? 隠れた可能性は? と皆で真剣に探し求めることは、我々には「慣れない作業」。これは自分のことに関しても同じ。「あなたの強みは何か」と言われて、すぐにとうとうと答え始めるひとはあまりいない。「自分の強みを真剣に考えたことがない」のだ。ついネガティブ要素に引き寄せられる視線の先を、あえてポジティブに向ける。

・犠牲的精神に基づいた努力は継続せず、どこかで息切れを起こす

・CSからES(Employee's Satisfaction):社員一人ひとりが生き生きと満足して働いていれば、彼らはくもなくCSにつながる試みにトライし続ける

 

第四章 組織を変えるための実践アプローチ

・AIの実践:4Dサイクル:Discovery=潜在力発見、Dream=理想像構築、Design=変革設計、Destiny=変革実現

・Dream(理想像構築):ポイントは「過去形」で語らせること。あたかも既に起こったことであるかのように語ると、言葉の上だけでもやりとげた自分の立場に立てる。すると物の見え方がガラリと変わる。

 

第五章 AIをさらに活用するためのヒント

・問題解決ではなく理想実現

・あえて「問題」を追求するのではなく、「まず理想のビジョンを描く」ことから始めるほうが組織開発では遥かに効果的

・スポーツ選手が行う「イメージトレーニング」でも決して失敗のイメージを描こうとはしない。

・失敗をなくそうと思えば思うほど、失敗は増える。「強み」「持ち味」「可能性」に着眼してそれを伸ばそう、とすることで組織は「失敗」のイメージから脱却できる。

・自発性が喚起されることで一人ひとりのコンピテンシー(職務遂行能力)がアップする

・コンサルタント:どの会社に出入りしても、専門知識や技能を提供できる人。社内の人間にはわからない理論やスキルが、様々な会社に赴く彼らの武器。逆にいえば、よほど説得力のあるデータやクオリティの高い進言が出来なければ、良いコンサルにはなれない。

世阿弥は、ものの学びには「守」「破」「離」の3段階があるという教えを遺している。「守」:師匠の手本を寸分違わずなぞり、体に叩きこむ、「破」:自分にあった方法を、試しに行おうとしてみる、「離」:その試みも含めて、完全に技が自分のものとして体得される。

・環境は岩のように硬く頑なだったが、自身が変化した途端、音を立てて好転しはじめた。自己変革なくして風土改革なし。