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私的 本まとめ

自己の脳内シナプス伝達強度増加させるべく、読んだ書籍の内容をアウトプット。読む目的を設定し、その目的に沿った部分を抽出して紹介します。かなり内容をすっ飛ばしているので、気になったセンテンスを見つけたら、ぜひ本を手にとってみてください。目標ペースは1冊/Week。

知的複眼思考法

読書目的

ビジネスシーンで話をする(=時間を使う)なら、相手に新しい何かを持って帰ってもらわないと価値がない。相手に与えられる価値ってなんだろう。相手が持つ視点と違った視点から、ものごとを捉えて、それをアウトプットすることだ。自分の知識や経験を相手に与えることはもちろん、一緒にみているものごとを見えたまま短絡的に捉えるのではなくて、多面的に捉えて、相手が気がつかない、ものごとの裏面まで考えてアウトプットする人になりたいと思い、本書を手にとった。

本まとめ

序章 知的複眼思考法とはなにか

・単眼思考に陥っている場面

  1. 他の人の意見に対し、「そんなものかなあ」と思って、自分で十分に納得しているわけではないけれど、「まあいいか」とやり過ごしてしまった。
  2. 本当は、ちょっと引っかかるところもあるのだけれど、「そういわれれば、そうかなあ」と、人の意見を消極的に受け入れた。
  3. 「あなたの意見はどうですか」と聞かれた時、少しはいいたいことがあるのに、はっきりと自分の考えがまとめられずに、結局は「特にありません」と答えてしまった。

・本書の目的

  1. 人の意見を簡単に受け入れてしまわずに、批判的に捉え直すには、どうしたらよいのか。
  2. 自分なりの考えを、きちんと自分の言葉で表現できるようになるためには、どんな工夫がいるのか。
  3. 論理的に筋道の通った考えを展開するためには、何が必要なのか。
  4. どうすれば「常識」にとらわれない「自分の頭で考える力」を身につけられるのか。

・「情報化の時代だから、、、」「日本は集団主義の社会だから、、、」「国際化が進む現在の日本では、、、」など、私たちの身の回りには、紋切り型の決まり文句があふれている。紋切り型の決まり文句になんとなく納得してしまったら、その先を考えるのをやめてしまう。

・自分なりの考えを放棄してしまうと、そこで見落とされたことがらには目が届かないままに終わる。

・自分なりのとらえ直しをしないまま、「他の人と同じ」発想を続けていると、自分にとって本当は何が重要なのかが見えなくなる。

・ある事態を自分自身との関わりのなかで捉え直す複数の視点を持つこと。

・自分で考える力のなさを知識不足や勉強不足のせいだと見てしまうケースは、案外多い。それは、唯一の正解という一つの視点からものごとを捉えようとするからだ。そうした正解を求める態度は、複眼思考とは対極にある考え方。

第1章 創造的読書で思考力を鍛える

・本でなければ得られないもの:知識の獲得の過程を通じて、じっくり考える機会を得ること。つまり、考える力を養うための情報や知識との格闘の時間を与えてくれるということ。

・本は他のメディアに比べて、時間のかけ方が自由である。

・漫然と著者のいうままに、その通りに文章をなぞるように読むのではない。「他の文章になる可能性のあったもの」として目の前の活字を追っていく。つまり、「私だっったらこう書いたかもしれない」とか、「どうして著者はここで、こんなことを書いているのか」を考えながら、文章を読んでいく。

・書き手の書くプロセスを意識するようになると、書き上がったものを「動かざる完成品」だとみる見方は弱くなってくる。つまり、完成品としてむやみにありがたがって本を読んだり、書き手の言い分をそのまま納得してしまったりという受け身の姿勢ではなく、本に接することが出来る。

・相手の言い分をそのまま素直に受け入れてしまうのではなく、ちょっと立ち止まって考える習慣が身につく。

・著者と関わりながら読書するコツ:次のフレーズを書き込みの例に本を読んでみる。

  1. なるほど、ここは鋭い
  2. 納得がいかない
  3. どこか無理があるな
  4. その意見に賛成だ、その意見に反対
  5. 自分の考えとは違うな
  6. 著者の意見は不明確(あいまい)だ
  7. 同じような例を知っている、自分の身の回りの例だとどんなことかな(実例を書く)
  8. 例外はないか、見逃されている事実や例がないか
  9. これは他の人にも伝えたいエピソードやデータだ
  10. もっと、こういう資料が使われていれば議論の説得力がますのに
  11. 自分ならこういうことばを使って表現するな(実際の言葉を書く)
  12. この表現は難しすぎる

・書き手の言い分を鵜呑みにしない読書のすすめ。つまり、批判的な読書を通じて、ものごとに疑問を感じること、ものごとを簡単に納得しないこと、「常識」に飲み込まれないこと、すなわち自分で考えるという姿勢ができてくる

・知識を受け入れようとするだけの読書では、何か勉強したつもりにはなっても、なかなか自分で考えるようにならない

・何かを知ろうと思って読むのか、それとも自分なりに考えるために読むのか。

・批判的に読む=著者の思考の過程をきちんと吟味しながら読もうとすること

・書き手の論理の進め方を、ほかの可能性も含めて検討していく。つまり、対等な立場にたって、本の著者の考える道筋を追体験することで、自分の思考力を強化しようというのが、批判的読書の方法。

・読んだことのすべてをそのまま信じたりはしない態度が重要

・批判的読書のコツ(ピックアップ)

  1. なにか抜けているとか、欠けているなと思ったところに出会ったら、繰り返し読みなおす。
  2. 著者が誰に向かって書いているのかを考える
  3. 著者がどうしてそんなことを書こうと思ったのか、その目的が何かを考える
  4. ありそうなこと(可能性)に基づいて論を進めているのか、必ず起きるという保証付きの論拠(必然)に基づいて論を進めているのかを区別する。
  5. 当てになりそうにもない理屈にもとづく議論は割り引いて受け取る。
  6. 意見や主張と事実との区別、主観的な記述と客観的な記述との区別をする

・論旨に照らして理解する。すなわち、それぞれの文章を流れの中で理解しようとすることを忘れないように、おかしいなと思ったら、読み返す習慣をつける。

・著者の論理を丹念に追う。論理に飛躍がないかどうか。

・出されたデータがそのまま信じられるかどうかを疑ってかかる態度が必要

・何かを主張するとき、著者はかならず、それが正しいことを理由付けようとする。危なそうな議論は割り引いて読み取る。

・著者の前提を探り出し、それを疑ってかかる

・重要なチェックポイント

  1. 著者を簡単には信用しないこと
  2. 著者のねらいをつかむこと
  3. 論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと
  4. 著者の前提を探り出し、疑うこと

・考える読書 4つのヒント

  1. 論争を読む:複数の立場から読む
  2. 先を読む読書:どんな論理展開するかを予測しながら読む
  3. 古い文章の活用:今の時代から照らし合わせる
  4. 書評のすすめ:まだ読んでいない人にもわかり易く説明、文章のエッセンスを的確に捉え、明確に表現する練習。本の問題となる箇所を的確に指摘しておく

第2章 考えるための作文技法

・問題点を探しだすことで止まってしまっては、「批判的読書」は思考力を鍛える半分までの仕事しか出来ない。考える力をつけるにはもう一歩進んで、「代案を出す」ところまでいく必要がある。「自分だったらどうするか、というところまで考えて、そして、考えたことを考えたままにしないで、必ず紙に書くこと」

・「批判的に書く」この章は批判的に読む立場から、その批判をうけて自分自身で考えていくことを説明する。

・考えるという行為は、その考えがなんらかの形で表現されてはじめて意味をもつ

・どんなにすごいことを考えていたとしても、それを他の人に表現しない限り、その考えは、ないに等しい

・書くという行為は、話すのと違って自分のペースで、いきつもどりつしながら、考えを進めていくことができる表現方法

・書くという行為は、もやもやしたアイデアに明確な言葉をあたえていくことであり、だからこそ、書くことで考える力もついていく

・ポイント

  1. まず結論を先に述べ、それから、その理由を説明するというスタイルをとる
  2. 理由が複数ある場合には、あらかじめそのことを述べておく。また、説明を幾つかの側面から行う場合にも、あらかじめそのことを述べておく
  3. 判断の根拠がどこにあるのかを明確に示す
  4. その場合、その根拠に基づいて、推論をしているのか、断定的にいっているのか、わかるようにしておく。
  5. 別の論点に移るときには、それを示す言葉をいれておく(→もうひとつの問題点は・・・)
  6. 文と文がどのような関係にあるのかを明確に示す

・自分自身が賛成か反対かとは別に、相手の立場に立って考えるということが、複眼思考を身につけるうえでは大切なトレーニングとなる

・相手の前提のどこに賛成しかねるのかをまずははっきりさせておかなければ、ディベートにはならない。つまり、どのような立場の違いがあるのかを明らかにしていくことが、反論を書くためのスタートラインとなる。

・立場によって拘束された見方の限界ということを明らかにする。その限界を示すことで、その前提の間違いを論じていく。

・一人ディベートをやる。そのとき、自分で仮想の立場を複数設定して、それぞれの立場からの批判や反論を試みる

・反論や批判は、頭で考えるだけでなく、文章にしてみる。文章にすることで論理の甘さが見えてくる。自分の立場を第三者的に捉えることも可能となる。

第3章 問いの立て方と展開のしかた

・最初から疑問を持とうとしない間は、自分から進んで考えることをしないものである。まずはものごとに疑問を感じること、「ちょっと変だな」と疑いをもつことが、考えることの出発点。

・疑問と問いの決定的な違いは、疑問が感じるだけで終わる場合が多いのに対して、問いの場合には自分でその答えを探しだそうという行動につながっていくという点。

・問いのブレイクダウン:最初の大きな問いを複数の小さな問いに分けていって、それぞれの問いに答えることが最初の問いへの回答になるようにしていく方法

・最初の問いを幾つかの問いに分解したり、関連する問いを新たに探していく、問いの分解と展開によって、考えを誘発する問いを得ることが出来る。

 →(例)「どうしたらよい企画書が書けるのか」を出発点に、「そもそも良い企画書とは、だれにとってよいのか」「どんな判断基準でよいのか」「説得力の点か」「わかりやすさか」「アイデアの良さか」。いや「そもそも、よいアイデアとは何か」「おもしろさか」「有効性か」「実現可能性か」などと、最初の漠然とした疑問を、いくつかの具体的な側面に分けてみる。そしてそれぞれの問いにどう答えていくのか、それぞれの答えが、どのように関係しあって、出発点の問いへの解答になるのかを考えていく。

・何を問題にしているのかがはっきりしていて、どうやっていけば解答に到達できるのか、その手続がわかりやすい「問い」に表現し直すということ。

・最初の素朴な疑問では見過ごされていた、問いの新たな側面を見つけて、最初の問いとの関係を考えていくこと。

・「〇〇はどうなっているのか」:実態を問う形式の問い。このタイプの問いは、そのままではなかなか考えることに結びつきにくい

・問いを少しずらして考えて、思考停止に陥らないようにすると、考えの新しい道筋を見えてくる。

 →(例)「受験戦争が激しくなる」というのは、どういうことか。入試の競争率が高くなることか。それとも受験競争に参加する人が増えたのか。あるいは、そのいずれでもなく、世の中全体がなんとなく思っていることなのか。このように問いを少しずつずらしてみるだけでも、問題の切り口が複数になり、広がっていく。

・ちょっと問いをずらしてみることで、最初の問題を真正面から見ているだけでは見えてこない側面をとらえる、もうひとつの視点、すなわち、複眼が見つかる

・偽の原因に惑わされない。

・原因と結果の関係を確定するための3つの原則

  1. 原因は結果よりも時間的に先行していなければならない(原因の時間的先行)。
  2. 原因と見なされている現象も、結果と見なされている現象も、ともに変化しているのが確認できている(共変関係)。
  3. 原因以外に重要と思われるほかの要因が影響していない(他の条件の同一性)。

・因果関係を考える複眼思考にとって重要なのは、「他の条件の同一性」。「これぞ原因に違いない」と思っていることでも、実はそれほど大きな影響力を持たない場合もあり、気がついていない他の原因によって結果が引き起こされていることも少なくない。

・「擬似相関」:ひとつだけの原因と見なされている要因と結果だけを見ていては、擬似相関は見えてこない。もうひとつ、これぞ本当の原因ではないかと思われる要因を加えて、3つ以上の要因間の関係としてみたときに初めて、最初に見ていた原因と結果との関係が擬似相関であるかどうかわかる。

・擬似相関を見抜く方法

  1. 同時に変化している要因の影響を取り除く
  2. 他に重要とおもわれる条件が同じになるように複数のケースをとって比べることで、同時に変化している要因を取り除く。
  3. 原因と仮定しているパラメータを変えずに、他に影響しそうなパラメータを変えてみる(たとえば、時間(現在と過去)、場所(日本と外国))

・なぜ、という問いは、考えることを誘発する

・ブレイクダウンすることで、「大きななぜ」をいくつかの「小さななぜ」に分けて考えていく。

・ブレイクダウンの方法:「なぜ」という問いに含まれる「主語」を、それを構成する下位の集団に分解していく

 →(例)「日本企業は」というのが問いの主語であれば、これを「製造業」と「非製造業」に分けてみたり、あるいは企業規模に分類する。

 →(例)「二十代の若者」が主語の場合には、男女で分けたり、勤労者か学生か、勤労者の場合は勤め先の職業は何か、学生の場合はどのなタイプの学校にいっているかといったように主語を分けていく。

・概念化のメリット:共通性を高め、個別の細かな事情を切り捨てていくこと(捨象すること)。

・「個性」とか「創造性」とか「合理性」といった概念は、なんとなくわかったつもりになるが、明確な定義付けなしに使われる事が多い。

・概念のレベルでものを考えようとする場合、それがどのような内容を示すのかを明らかにしておかないと、ただの抽象論に終わる。

・複眼思考を身につけるためには、概念のレベルで問題を考えていくことが重要。なぜなら、個別のケースの中で考えている限り、そのケースを超え出る問題の広がりには目が向かないから。

・概念とケースの関係を使い分ける。個別のケースから概念へという抽象度を上げていく方法

  1. 複数のケースを並べて、それらに共通する部分は何かを考えること。
  2. それらを共通するものとして、くくることの出来る概念は何かを探すこと。
  3. その概念をどのような意味で使うのか、定義をはっきりさせること。

・このようなレベルでの仮説を作ることによって、具体的な個々のケースのレベルで考えていたのでは気がつかない、ケースの個別性を超えた原因やその関係にまで目が行くことになる

・概念はサーチライトである。新しい概念の発見によって、新しい問題が見えてくる。

 →(例)「過労死」は概念。ひとりの人間の「病死」として見るだけではない。過剰な労働やストレスを生み出す職場と、そのなかでどうしても健康を害してまで働いてしまう勤労者との複合体として、その「死」を捉える概念「過労死」の登場によって、個人の問題が社会の問題へと広がりを持って認識されるようになっていった。

・ケースのレベルと概念のレベルの使い分けによって、問いを展開させる。これは、問題の一般化と具体化ということに対応する。

・二つ以上のケースを比較することで、両者に共通する特徴を概念としてつかみ出し、概念レベルで原因と結果の関係を表現しなおしてみる。

・概念レベルで考えた原因と結果の関係を他のケースにあてはめてみる。

第4章 複眼思考を身につける

・この章は以下を説明する

  • ものごとの多面性をとらえるための「関係論的なものの見方」
  • 意外性を見つけるための「逆説の発見」
  • ものごとの前提を疑うための「メタを問うものの見方」

・「主語」を幾つかのグループに分解していく方法、これを少し発展させると、「関係論的なものの見方」に到達できる。

・一つの問いを二つに分けてみる。ポイントはものごとを構成している二つ(以上)の要素に目を向ける

・複眼思考法の出発点は、どのようなことがらも、複数の要素間の関係によって、目の前の一つの現象として現われている、という見方をとること

・目の前の問題(事象)は、どのような要因(要素)の複合かを考える(=分解)

・それぞれの要因の間にはどのような関係があるのかを考える(=相互作用の抽出)

・そうした要因の複合のなかで、問題としていることがらがどのような位置を占めているのかを考える(=全体の文脈への位置づけ)

 →(例)水戸黄門の印籠:権力は、印籠の中に実態として込められているのではなく、それに従う人々が存在してはじめて権力として外に見える

・機能的だとか、センスがいいとかいった価値は、実際には顧客がその製品に与えている。つまり、顧客とその者との関係の中で決まっている。それを、製品の側から見た場合に、「この製品には魅力がある」といった実体的な言い方を私たちはしている。

・「製品の魅力」が、製品の属性ではなく、顧客との関係の中で関係論的に決まっていることの好例:ポケベル

・関係自体を固定しない。つまり関係自体も変化しているものとして見る。

・ものごとを作り出し、意味を与えている関係を捉えるだけではなく、そうした関係自体がどのように変わってきているのかを問題にすることによって、私たちは実体化するものの見方が、どれだけ事態を固定してしまうのかを考えることができる。

・「意図せざる結果」に注目することは、目の前にある事態が、実のところ別のことがらの副産物ではないか、と考えてみる発想にもつながる。何か主たるねらいの結果としてある事態がもたらされたと考えるのではなく、一見それとは全く関係のない事柄の副産物ではないかと疑ってみる。

 →(例)ゴミ袋半透明化によるカラスの増加、凶悪犯罪が起こったのちの交通違反の減少、受験教育批判による学校の補習の廃止が塾通いに拍車をかけた、など

・予言が事態を変えてしまうことで、その予言が外れてしまうこともある。

 →(例)マルクス共産主義革命の予測:1848年に発表された、「ヨーロッパに幽霊が出るー共産主義革命という幽霊である」という有名なことばで始まる「共産主義宣言」は、共産主義革命が起こることが歴史の必然であることを宣言した「予言」の書としての意味合いがあった。 ところが、その予言は、当時の資本家政府の首脳たちに革命の脅威を抱かせた。資本家や政府は、共産主義者を弾圧した。と同時に、革命が起きないために「福祉国家政策」も徐々に取り入れた。労働時間の短縮や賃上げ、工場内の環境改善、児童労働の禁止などの取り組みによって、労働者の生活改善の手だてが部分的に取り入れられるようになった。社会福祉政策の導入によって、貧困層への保護も拡大した。貧困が極みに達して革命が起きるという予言を逆手に取って、革命が起きない手だてがとられた。 その結果、多くの資本主義国では、革命を起こすにいたる深刻な事態が回避された。マルクスが予言したことが、資本家や国家の新たな対応を生み出し、その予言を外してしまったといえる。このような例の場合、予言にはある程度の根拠があった。にもかかわらず、予言したこと自体が事態を変えてしまったと見ることが出来る。

・単に予測や予想があたったか、はずれたかを見るだけでは、ものごとの表面を捉える単眼思考にとどまる。複眼思考をするためには、そうした予想がなされたこと自体が、人々にどのような影響を及ぼしているのかにまで目を向ける。そうすることで、得られた結果が、どのようなしくみでそこにいったのかを、物事の奥行きにまで目を注いで捉えることが可能になる。

・これまで説明してきた方法は、関係の中でものごとの多面性に注目するとか、ものごとの「意図せざる結果」に着目することで、問題を複数の視点から見ようということだった。第3の方法として、問題のとらえ型自体を、もっと根底からずらしていくやり方を説明。すなわち、問題を問うこと自体を問う方法。

・問題の渦中にあって問題に取り組むのではなく、ひとつ違うレベルに立って、当の問題自体をずらしてみること。そのための視点を「メタ視点」という。

・私たちの目の前にあるさまざまな問題には、「つくられる」部分があることに気づく。

・「どうしよう、どうしよう」と目の前の問題ばかりを考えていないで、いったん開き直って、「なぜそれが問題なのか」を考えてみる。すると、この問題が問われる文脈が何であるのかに目を向けることが出来るようになる。

・ポイントは、最初の問いがどのような意味をもつのかを、その文脈にまでさかのぼって考えること。そうすることで、視野が広がる。「なぜそれが問題なのか」というメタレベルの問いを立てることで、当初の問題を広い文脈の中に位置づけようとする視点を持てる。

・「なぜ、それが問題なのか」に着目することによって、ある問題を問題と見なす視点は何かをとらえる。

・ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないのかに目を向ける。問題の文脈。

・問題の文脈に目を向けるための方法

 →ある問題を立てることで、誰が得をするのか損をするのかに目を向ける

 →当該の問題が解けたらどうなるか、を考える。

・一番大切なこと:ものごとを鵜呑みにしない態度、ステレオタイプ的な解答に出会ったら、「ああそうか」とやり過ごさずに、ちょっと立ち止まって自分の言葉で考えなおしてみるという姿勢。そのちょっと立ち止まった時に、どうすれば自分なりの考え方が展開できるのか。

・自分の頭で考えることはけっして簡単なことではない。自分なりに考えているつもりでも、一つのことにとらわれすぎて、なかなかそこから抜け出せないこともある。そういう時こそ、メタの視点に立つことが有効になる。

・当面の問題を少しずらしてみる。それだけでも、その問題がどのような広がりを持っているかに目がいくようになる。新しい問いが見つかることも少なくない。問いをずらしていく方法を身につけることで、簡単にステレオタイプに飲み込まれない、自分なりの視点を持てるようにもなる。自分の視点を持つとは、自分がどのような立場から問題を捉えているのか、その立場を自覚することでもある。