私的 本まとめ

自己の脳内シナプス伝達強度増加させるべく、読んだ書籍の内容をアウトプット。読む目的を設定し、その目的に沿った部分を抽出して紹介します。かなり内容をすっ飛ばしているので、気になったセンテンスを見つけたら、ぜひ本を手にとってみてください。目標ペースは1冊/Week。

プロの資料作成力

クリティカルチェーン

読書目的

長年プロジェクトワークをしてきた経験と照らしあわせて読んでみる。知識補完。

本まとめ

・不確実性こそがプロジェクトの本質

・遅延プロジェクトのプロジェクト・リーダーの言い分にはすべて不確実性が絡んでいる

・すべてのプロジェクトには不確実要因が存在しており、これが多くの問題の根源的な原因になっている。だからプロジェクトの計画にあたってはセーフティーを沢山組み込む。

・たった数パーセントの予算を削ろうとして、ペイバックが倍に延びることがよくある

・進捗状況レポートが手元に届いて、問題が発生していることに気づいた時には、たいていもう遅すぎる

・プロジェクトの9割は1年で完了、残りの1割を完了するにはあと1年かかるーーー進捗状況レポートにはそんなことしか書かれていない

・目先のことしか考えないプロジェクト・マネージャーだったら、問題が発生して作業が遅れるパスが出ても、無視することはできる。数字だけ見れば、プロジェクトははかどっているように見える。ちゃんと仕事をしているように見える。しかし、それは少しの間だけだ。他のパスの作業が全部完了して、遅れているパスの作業だけが残る。その時に、ああ間違っていたんだなと気づく。

・”うまくマネジメントする”とは、コストをしっかり管理すること、スループットを守ること。つまり必要な製品を必要なクライアントに対価を払ってもらえるようなカタチで届けなければいけない。

・コスト管理とスループット維持。このふたつは絶対的に必要な条件で、どちらが欠けてもだめ。

・コストワールドとスループットワールド

スループットワールドを考えるとき、重要なのは一つひとつの輪だけでなく、輪同士のつながり。鎖の強さ。鎖の強さは強度の一番弱い輪によって決まる。一番弱い輪以外をいくら強くしても、鎖全体の強度は一切増さない。改善努力には時間とお金、そして労力が伴う。組織全体の改善を図るには、部分的にいくらたくさんの努力を行なってもダメだということだ。

・月末症候群:月の初めは、コストをきちんとコントロールする。残業も極力抑える。しかし、月末になると、そんなことを言っている余裕などなくなる。早く出荷するためなら何でもありになってしまう。月初はコストワールドに従ってマネジメントしているのだが、月末はスループットワールドに従っているのだ。

・”選択と集中”。注意が散漫なマネージャーは、コストを管理することもスループットを守ることも出来ない。

・”パレートの法則”。主な問題の20%に注意を集中することで、利益の80%を得られるという法則。

TOC(Theory Of Constraints)

  • ステップ1:制約条件を見つける
    • 物理的な制約条件:機械や設備などのボトルネック
    • 方針上の制約条件:会社の方針が適切でない、間違っているような場合、これも制約条件になる
    • ボトルネックを強化する方法
      • キャパシティの追加:人を雇う、機械を増やす
      • 既存のキャパシティからアウトプットを最大限引き出す→ステップ2
  • ステップ2:制約条件を徹底活用する
  • ステップ3:他の全てを制約条件に従属させる

スループットワールドにおいては、集中プロセスと継続的改善プロセスは同じことなのだ。

 →鎖の例えでいうと、一番弱い輪を強くすると、鎖全体の強度が高まる。更にこの鎖を強くする。鎖の強度はさらに高まる。そして、さらにもう一度この環を強くする。しかし、今度は何も変わらない。→この輪はもはや制約条件ではない。となると、今度は惰性を避けて、ステップ1に戻る。

・問題が発生した時、これを解決するにはまず問題が何かを正確に認識しなければいけません。

・マネージャーの目標は、仕事をうまくマネジメントすることである。

 →上手くマネジメントするための必要条件

  ・コストを管理すること

  ・スループットを守ること

   →しかし、コストワールドとスループットワールドはお互い相容れず、コンフリクトする。

・優れたコスト・パフォーマンスを実現するには、優れたローカル・パフォーマンスを図るしかない。これが間違っている。

TOCを一度理解すれば、この世の中にはいくつもの制約条件のあるシステムなど、存在し得ないことが理解できる。そんなシステムは、もともと存在し得る前に抹殺されてしまう。現実のシステムには1つ、多くても2つしか制約k条件が存在しないのである。

・必要なものが全部準備されていれば、自分の仕事を時間内に終わらせるのは大して難しくないと多くの人がいう。

・メンバーの意見:仕事を遅れずに完了するには、周りの人次第。周りが遅れないでちゃんと仕事をしてくれるかどうか、同時に他の仕事をいくつも押し付けられないかどうか、それ次第である。

・予定より早く作業を終わらせても、最初のステップはそれを報告しない。現状の仕組みでは、作業を早く終わらせても何もご褒美はもらえないから。いやそれどころか、ペナルティーが課される。

・作業が早く終わっても、それは報告されない。たとえ報告されたとしても、早く終わった分の時間は次のステップで活かされることはない。ただ浪費されるだけ。

・一つひとつのステップのパフォーマンスを守ろうとするーーーこれはコストワールドの考え方。重要なのはプロジェクト全体のパフォーマンスーーーこれはスループットワールドの考え方。

・学生症候群:セーフティが必要だと騒ぐ。そしてセーフティをもらう。でも時間的に余裕が出来たからといって、すぐに作業は始めない。結局ギリギリになって始める。それが人間というもの。

・だけど、実際に作業を始めるまで、問題があるかどうかはわからない。

・優先順位は、誰がどれだけ大きな声をだしたかで決まる。どのタスクが本当に緊急なのかがわからない。

・リードタイムにとって、最大の敵は作業の掛け持ち

・セーフティは一番役に立つ場所に置く。保護すべきなのはクリティカルパスの完了期日。セーフティはすべて、クリティカル・パスの最後に置く。

・セーフティの他に、プロジェクトバッファーも用意する。

・製造で非ボトルネックで発生する問題からボトルネックを守る方法は、ボトルネックの前に、仕掛り在庫のバッファーを置く。プロジェクトにおいては、在庫の代わりにタイムバッファーをおく。クリティカル・パスに合流する合流パスがクリティカル・パスと合流する地点にタイムバッファーが必要だ。

・リソースバッファー

・リソースネックにならなないために:クリティカル・パスでの作業が始まる一週間前に、担当者にそのことを伝えておくだけ。それから3日前に再度担当者に連絡する。重要なのは、クリティカル・パスでの作業が始められる段階になったら、他の仕事はとりあえず忘れてクリティカル・パスでの作業に集中しなければいけないということをみんなが理解していることだ。

・どんな時でも周りの協力は必要だ。ちゃんと説明して納得させたうえで、協力してもらわないといけない。ただ、人に命じて仕事をさせる時代はもう終わった。みんなに自分で考え、自らイニシアチブをとってもらうには、ただ命じるだけではダメなのだ。

・プロジェクトに関わっている人はたいてい、プロジェクトの完成が遅れることによって毎月どれだけの損失が出るのか、はっきりとは認識していない。プロジェクトが遅れることによってどれだけの損失があるのか考えて欲しい。

・制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)は、「システムのアウトプットは、その最も弱い部分の能力で制約される」というものだ。

・プロジェクトはドラマではない。いや、ドラマにしてはいけないのである。プロジェクトは、予定通り淡々とゴールに到達するのが本当の姿だ。プロジェクトをドラマにしないやり方、プロジェクトをうまく運営する技術がプロジェクト・マネジメントだ。

・浮いた時間は無駄に消費される、学生症候群、掛け持ち作業の弊害

人を動かす

読書目的

人間関係の分野では、本書は、まさに、現代の古典とも呼ぶべき位置を占め、万人必読の書

本まとめ

■盗人にも5分の理を認める

・人を非難するのは、ちょうど天に向かってつばをするようなもので、必ず我が身に帰ってくる。

・どうしてまず自分の欠点を改めにかからないのだろう? なまじっか他人を矯正するよりも、自分を直すほうがよほど得であり、危険も少ない。

批判も非難もしない。苦情もいわない。

 

■重要感を持たせる

・人を動かす秘訣は、一つしかない。秘訣は、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること。

・人を動かすには、相手の欲しているものを与えるのが、唯一の方法である。

・人は何を欲しているのか? ジグムント・フロイトによると、人間のあらゆる行動は、二つの動機、つまり性の衝動と、偉くなりたいという願望から発する。

・ジョン・デューイ教授も、人間の持つ最も根強い衝動は、”重要人物たらんとする欲求”だと言っている。

・若くしてU・Sスチールで高給をもらったシュワッブ曰く、「私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。これが、わたしにとっては何物にも代えがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。わたしは決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える」

・仮に家族や使用人に、6日間も食物を与えないでおいたとすると、われわれは一種の罪悪感を覚えるだろう。それでいて、食物と同じくらいに誰もが渇望している心のこもった賛辞となると、6日間はおろか6週間も、ときには6年間も与えないままほったらかしておくのだ。

・我々は、子どもや友人や使用人の肉体には栄養を与えるが、彼らの自己評価には、めったに栄養を与えない。牛肉やじゃがいもを与えて体力をつけてはやるが、優しい褒め言葉を与えることは忘れている。優しい褒め言葉は、夜明けの星の奏でる音楽のように、いつまでも記憶に残り、心の糧にもなるものなのだ。

・餓死寸前の人間が草でも虫でも手当り次第に食べるように、何もかも鵜呑みにしてしまう賛辞に飢えた人々も世の中にいることは事実だ。

・人の気持ちを傷つけることで人間を変えることは絶対にできず、全く無益である。

・「この道は一度しか通らない道。だから、役に立つこと、人のためになることは、今すぐやろうー先へ延ばしたり、忘れたりしないように。この道は、二度と通らない道だから」

・自分の長所、欲求を忘れて、他人の長所を考えようではないか。そうすれば、お世辞などは全く無用になる。嘘でない心からの賞賛を与えよう。シュワッブのように”心から賛成し、惜しみなく賛辞を与え”よう。相手は、それを、心の奥深くしまいこんで、終生忘れないだろうー与えた本人が忘れても、受けた相手は、いつまでも忘れないで慈しむだろう

率直で、誠実な評価を与える

 

■人の立場に身を置く

・魚釣りをやる場合、自分の好物は考えず、魚の好物のことを考える。人を釣る場合にも、この魚釣りの常識を利用していいわけだ。

・人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。

・人を説得して何かやらせようと思えば、口を開く前に、まず自分にたずねてみることだーーー「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」

・自動車王ヘンリー・フォード「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力である」

・他人の立場に身を置き、その心の中に欲求を起こさせるということは、相手をうまく操ってこちらの利益にはなるが先方には損になることをやらせるというのでは決してない。当事者双方が利益を得なければうそである。

・「まず相手の心のなかに強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する」

・何かすばらしいアイディアが浮かんだ場合、そのアイディアを相手に思いつかせるようにしむけ、それを自由に料理させてみてはどうか。相手はそれを自分のものと思い込み、ふた皿分も平らげるだろう。

強い欲求を起こさせる

 

■誠実な関心を寄せる

・友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せることだ。

・人間は、他人のことには関心を持たない。ひたすら自分のことに関心を持っているのだーーー朝も、昼も、晩も。

・「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる」

・わたしの経験によると、こちらが心からの関心を示せば、どんなに忙しい人でも、注意を払ってくれるし、時間も割いてくれ、また協力もしてくれるものだ。

・「我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」

・関心を示す人の利益になるだけでなく、関心を示された相手にも利益を生まねばならない。一方通行ではなく、双方の利益にならなくてはいけない。

誠実な関心を寄せる

 

■笑顔を忘れない

・苦情や不満を持ち込んでくる人にも、明るい態度で接します。相手の言い分に耳を傾けながら笑顔を忘れないようにすると、問題の解決もずっと容易になります。笑顔のおかげで収入は、うんと増えてきた。

・私は、人の悪口をいわないことにしました。悪口をいう代わりに、褒めることにしている。自分の欲することについては何もいわず、もっぱら他人の立場に身をおいて物事を考えるように務めている。そうすると、生活に文字通り革命的な変化が起こりました。

・「動作は感情に従って起こるように見えるが、実際は、動作と感情は並行するものなのである。動作のほうは意志によって直接に統制することができるが、感情はそうはできない。ところが、感情は、動作を調整することによって、間接に調整する事ができる。したがって、快活さを失った場合、それを取り戻す最善の方法は、いかにも快活そうに振る舞い、快活そうにしゃべることだ」

・友人には笑顔をもって接し、握手には心を込める。

・やりたいことをしっかりと心のなかで決める。そして、まっしぐらに目標に向かって突進する。大きなすばらしいことをやりとげたいと考え、それを絶えず念頭におく。すると、月日のたつに従って、いつのまにか、念願を達成するに必要な機会が自分の手の中に握られていることに気がつくだろう。

・有能で真面目で、他人の役に立つ人物になることを心がけ、それを常に忘れないでいる。すると、日の経つに従って、そのような人物になって行く・・・心の動きは至妙なものである。

・正しい精神状態、すなわち勇気、率直、明朗さを常に保ち続けること。正しい精神状態はすぐれた想像力を備えている。すべての物事は願望から生まれ、心からの願いは全て叶えられる。人間は、心がけたとおりになるものである。顎を引いて頭をまっすぐに立てよう

・買うことも、強要することも、借りることも、盗むことも出来ない。無償で与えて初めて値打ちが出る。

笑顔で接する

 

■名前を覚える

・人間は自分の名に非常な誇りを持っているもので、なんとかそれを後世に残そうとする。

・いくら忙しくても、フランクリン・ルーズベルトよりも忙しい人はいないはずだ。そのルーズベルトが、たまたま出会った一介の機械工の名を覚えるために、時間を割いている。

フランクリン・ルーズベルトは、人に好かれるいちばん簡単で、わかりきった、しかも一番大切な方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせることだということを知っていたのである。ところで、それを知っている人が、世の中に幾人いるだろうか?

・自分一人になると、さっそくメモに相手の名前を書き、それを見つめて精神を集中し、しっかり覚えこんでしまうと、そのメモを破り捨てる。こうして目と耳と、両方を動員して覚えこむのである。

・これは時間のかかる方法だが、エマーソンの言葉を借りると、「良い習慣は、わずかな犠牲を積み重ねることによって作らる」ものなのである。

名前は、当人にとって、もっとも快い、最も大切な響きをもつ言葉であることを忘れない

 

■聞き手にまわる

・商談には特に秘訣などというものはない・・・ただ、相手の話に耳を傾けることが大切だ。どんなお世辞にも、これほどの効果はない。

・子の話「ううん、お母さんが僕を愛してくれていることはよくわかってる。だって、僕が何かお話しようとすると、お母さんはきっと自分の仕事をやめて僕の話を聞いてくれるんだもの」

・人に嫌われたり、軽蔑されたりしたかったら、次の条項を守るにかぎる

  1. 相手の話を、決して長くは聞かない
  2. 終始自分の事だけをしゃべる
  3. 相手が話している間に、なにか意見があれば、すぐに相手の話をさえぎる。
  4. 相手はこちらよりも頭の回転が鈍い。そんな人間のくだらんおしゃべりをいつまでも聞いている必要はない。話の途中で遠慮なく口をはさむ。

・あなたの話し相手は、あなたのことに対してもつ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っているのである。

聞き手にまわる

 

■関心のありかを見抜く

・ルーズベルトは、だれか訪ねてくる人があるとわかれば、その人の特に好きそうな問題について、前の晩に遅くまでかかって研究しておいたのである。ルーズベルトも、他の指導者達と同じように、人の心をとらえる近道は、相手が最も深い関心を持っている問題を話題にすることだと知っていたのだ。

・相手の関心を見抜き、それを話題にするやり方は、結局、双方の利益になる。

・「相手しだいで成果も違うが、概していえば、どんな相手と話をしてもそのたびに自分自身の人生がひろがるーーーそれが、何よりの成果だ」

相手の関心を見ぬいて話題にする

 

■心からほめる

・”心から認め、惜しみなくほめ”られたいと、わたしたちは、みなそう思っているのだ。

・たとえば、レストランで、給仕が注文を間違えて持ってきたとき、「面倒をかけてすみませんが、わたしはコーヒーよりも紅茶の方がいいんです」とていねいにいえば、給仕はこころよく取り替えてくれる。相手に経緯を示したからだ。こういうていねいな思いやりのあることば遣いは、単調な日常生活の歯車にさす潤滑油の働きをし、同時に、育ちの良さを証明する。

・人はだれでも他人より何らかの点で優れていると思っている。だから、相手の心を確実に手に入れる方法は、相手が相手なりの世界で重要な人物であることを素直に認め、そのことをうまく相手に悟らせることだ。 エマーソンが、どんな人でも自分より何らかの点で優れており、学ぶべきところをそなえているといったことを思い出して頂きたい。

・「人と話をする時は、その人自身のことを話題にせよ。そうすれば、相手は何時間でもことらの話を聞いてくれる」

 

■議論をさける

・議論は、ほとんど例外なく、双方に、自説をますます正しいと確信させて終わるものだ。

・議論に勝つことは不可能だ。もし負ければ負けたのだし、たとえ勝ったとしても、やはり負けているのだ。なぜかといえばーーー仮に相手を徹底的にやっつけたとして、その結果はどうなる?ーーーやっつけたほうは大いに気を良くするだろうが、やっつけられたほうは劣等感を持ち、自尊心を傷つけられ、憤慨するだろう。ーーー「議論に負けても、その人の意見は変わらない」

・論争している間は、権威を振り回すことによって重要感を得ていた。ところが、自分の重要性が認められて議論が終わり、自我の拡大が行なわれると、たちまちにして彼は、思いやりのある親切な人間に変わったのだ。

・「自己の向上を心がけている者は、喧嘩などする暇がないはずだ。おまけに、喧嘩の結果、不機嫌になったり自制心を失ったりすることを思えば、いよいよ喧嘩はできなくなる。こちらに5分の理しかない場合には、どんなに重大なことでも、相手に譲るべきだ。こちらに十分理があると思われる場合でも、小さいことなら、譲った方がいい。細道で犬に出会ったら、権利を主張して噛み付かれるよりも、犬に道を譲った方が賢明だ。たとえ犬を殺したとて、噛まれた傷は治らない」

・”意見の不一致を歓迎せよ”ーーー「二人の人間がいて、いつも意見が一致するなら、そのうちの一人はいなくてもいい人間だ」という言葉を銘記するべきだ。思い及ばなかった点を指摘してくれる人がいたら感謝しなければならない。この指摘は、重大な失敗をあらかじめ防ぐきっかけをつくってくれているのだ。

・”意見が一致する点を探せ”ーーー相手の主張を聞き終わったら、まず、賛成できる点を取り上げよ。

・”素直であれ”ーーー自分が間違っていると思う点を探し、素直にそれを認めてあやまる。それで、相手の武装が解け、防衛の姿勢がゆるむ。

・”相手の意見をよく考えてみる約束をし、その約束を実行せよ”ーーー相手のほうが正しいかもしれない。

・”相手が反対するのは関心があるからで、大いに感謝すべきだ”ーーーわざわざ時間をかけて反対意見を述べてくれるのは、あなたが関心をもつ同じ事柄に関心を持っている証拠だ。だから、相手はあなたの手助けをしたいと願っているのだと考えよ。そうすれば、論敵を味方に変えることができる。

・”早まった行動を避け、双方がじっくり考えなおす時間を置け”ーーーたとえば、後ほど、もう一度話し合って、問題点を総ざらえしてみようと提案せよ。この話し合いのために、次のような質問を自分に向けてみることだ。

 相手の方が正しいのではないか? 少なくとも一部は理にかなっているのではないか? 相手の主張に正当性、長所はないか? 私の反論は問題の解決に役立つのか、それとも、ただ溜飲を下げるだけのものではないのか? わたしの反論は相手を遠ざけることになるのか、それとも、引き寄せることになるか? 私の反論は善意の人々から評価が得られるか? 私は勝てるか、それとも、負けるか? 勝てるとして、その代償に何を失うか? わたしが反論しなかったらこの論争はおさまるか? この難関は、むしろ好機ではないのか?

・「私たち夫婦は、むかし一つの協定を結び、どんなに腹の立つことがあっても、これを守り続けてきた。二人のうちどちらかが怒鳴り始めたら、もう一人は黙ってそれに耳を傾けるという取り決めだ。なぜかといえば、ふたりとも怒鳴り始めたら、たちまち意思の疎通は吹っ飛び、後はただ騒音で、空気が振動するだけだから」

議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける

 

■誤りを指摘しない

・教えないふりをして相手に教え、相手が知らないことは、忘れているのだといってやる

・人にものを教えることは出来ない。みずから気づく手助けができるだけだ

・できれば、人より賢くなりなさい。しかし、それを、人に知らせてはいけない

ソクラテス曰く「私の知っていることは一つだけだーーー自分が何も知らないということ」

・私は、どう間違ってもソクラテスより賢いはずがない。だから、他人の間違いを指摘するような真似は、一切しないことに決めた。この方針のおかげで、随分と得をしてきた。

・相手が間違っている場合。「実は、そんなふうには考えていなかったのですがーーーおそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。間違っていましたら改めたいと思いますので、ひとつ事実をよく考えてみましょう。」この文句には、不思議なほどの効き目がある。これに反対する人間は、どこの世界にも、まずいないはずだ。

・”確かに”とか”疑いもなく”などという言葉は一切使わず、その代わりに「自分としてはこう思うのだが・・・」とか「わたしにはそう思えるのだ・・・」ということにした。相手が間違ったことを主張しても、すぐそれに反対し、相手の誤りを指摘するのをやめた。そして、「なるほどそういう場合もあるだろうが、しかしこの場合は、少し事情が違うように思われるのだが・・・」

・もともとわたしは口下手で、決して雄弁家とはいえない。言葉の選択に手間取り、選んだことばもあまり適切でないことが多い。それでいて、大抵の場合自分の主張を通すことが出来たのである。

・相手の間違いを指摘するような態度は決してとらず、今後どういう品物を送れば満足してもらえるかそれが知りたいのだといった。

相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない

 

■誤りを認める

・警官も人間だ。やはり、自己の重要感が欲しかったのである。わたしが自分の罪を認めた時、彼の自負心を満足させる唯一の方法は、私を許して太っ腹なところを見せることだったのだ。

・自分が悪いと知ったら、相手にやっつけられる前に自分で自分をやっつけておいたほうが、遥かに愉快ではないか。他人の批判よりも自己批判の方がよほど気が楽なはずだ。

・自分に誤りがあるとわかれば、相手の言うことを先に自分でいってしまうのだ。そうすれば、相手には何もいうことがなくなる。十中八九まで、相手は寛大になり、ことらの誤りを許す態度に出るだろう。

・自分が犯した誤りを認める勇気には、ある種の満足感が伴う。罪悪感や自己防衛の緊張がほぐれるだけでなく、その誤りから生じた問題の解決にも役立つ。

・自分の過失を認めることは、その人間の値打ちを引き上げ、自分でも何か高潔な感じがして嬉しくなるものだ。

・よく考えてみると、自分の間違っている場合は驚くほど多いもだーーーそういう時には、速やかに自分の誤りをこころよく認めることにしよう。この方法には予期以上の効果がある。

・諺にも「負けるが勝ち」という。

自分の誤りをただちにこころよく認める

 

■おだやかに話す

・相手の心が犯行と憎悪に満ちている時は、いかに理を尽くしても説得することは出来ない。子供を叱る親、権力を振りまわす雇い主や夫、口やかましい妻ーーーーこういった人たちは、人間は自分の心を変えたがらないということをよく心得ておくべきだ。人を無理に自分の意見に従わせることは出来ない。しかし、優しい打ち解けた態度で話し合えば、相手の心を変える事もできる。

穏やかに話す

 

■”イエス”と答えられる問題を選ぶ

・「相手にいったん”ノー”といわせると、それを引っ込めさせるのは、なかなか容易なことではない。”ノー”といった以上、それをひるがえすのは、自尊心が許さない。だから、初めから”イエス”といわせる方向に話を持って行くことが、非常に大切なのだ。

・話し上手な人は、まず相手に何度も”イエス”といわせておく。すると、相手の心理は肯定的な方向へ動き始める。

相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ

 

■しゃべらせる

・友達同士の間柄でも、相手の自慢話を聞くよりも、自分の手柄話を聞かせたいものなのだ。

相手にしゃべらせる

 

■思いつかせる

・要するに、ルーズベルトのやり方は、相手に相談を持ちかけ、できるだけその意見を取り入れて、それが自分の発案だと相手に思わせて協力させるのだ。

・その意見は、どこまでも大統領のものと、大統領自身にも、また他の者にも思わせておいた。大統領に花を持たせたのだ。

・河や海が数知れぬ渓流の注ぐところとなるのは、身を引く気に置くからである。その故に、河や海はもろもろの渓流に君臨することができる。

相手に思いつかせる

 

■人の身になる

・相手の考え、行動には、それぞれ、相当の理由があるはずだ。その理由を探しださねばならないーーーそうすれば、相手の行動、相手の性格に対する鍵まで握ることができる。

・自らをかえりみて、自分に対する強烈な関心と、自分以外のものに対するいい加減な関心とを比較し、次に、その点については、人間はみな同じであることを考えれば、あらゆる職業に必要な原則を把握することができる。すなわち、人を扱う秘訣は、相手の立場に同情し、それをよく理解することだ。

・他人にものを頼もうとするときには、まず目を閉じて、相手の立場から物事をよく考えてみようではないか。「どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうか」と考えてみるのだ。この方法は面倒には違いない。だが、これによって味方が増え、よりよい結果がたやすく得られる。

・わたしは人と面接する場合には、あらかじめ、こちらのいうべきことを十分に考え、それに対して相手がなんと答えるか、はっきりと見当がつくまでは、相手の家の前を二時間でも三時間でも行ったり来たりして、中へ入らない。

人の身になる

 

■同情を持つ

・「あなたがそう思うのは最もです。もしわたしがあなただったら、やはり、そう思うでしょう。」こういって話をはじめる。

・相手をやっつけるよりも、相手に好かれる方が、よほど愉快である。

相手の考えや希望に対して同情を持つ

 

■美しい心情に呼びかける

・相手の信用状態が不明な時は、彼を立派な紳士とみなし、そのつもりで取引をすすめると間違いないと、私は経験で知っている。要するに、人間はだれでも正直で、義務を果たしたいと思っているのだ。これに対する例外は、比較的少ない。人をごまかすような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正は出来ないものだ。

人の美しい心情に呼びかける

 

■演出を考える

 

■対抗意識を刺激する

・仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべきである。優位を占めたいという欲求、対抗意識、負けじ魂、男の気魄に訴える法だ。

・給料さえ出せば人が集まり、人材が確保できるとは限らない。ゲームの精神を取り入れることが必要だ。

☆ガゼルにゲーミフィケーション、競争心を刺激するソリューションを投入したい

・成功者はみなゲームが好きだ。自己表現の機会が与えられるからだ。存分に腕をふるって相手に打ち勝つ機会、これが、いろいろな競争や競技を成立させる。

対抗意識を刺激する

 

■まずほめる

 

■遠まわしに注意を与える

・☓:「今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。しかし、代数をもっと勉強していたら、成績はもっと上がってたと思うよ。」

 ⇛この失敗は”しかし”という言葉を、”そして”に変えると、すぐに成功に転じる。

・◯:「今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。そして、来学期も同じように勉強を続ければ、代数だって、他の科目と同じように成績が上がると思うよ」

・遠まわしに注意を与える方法は、直接批判されることに強く反発する神経質な人たちには、驚くほど効果がある。

遠まわしに注意を与える

 

■自分のあやまちを話す

・人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、よく失敗をするがと前置きをして、それから相手の間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済むものだ。

まず自分の誤りを話した後、相手に注意を与える

 

■命令をしない

・決して命令はせず、自主的にやらせる。そして、失敗によって学ばせる。

・命令を質問のカタチに変えると、気持よく受け入れられるばかりか、相手に創造性を発揮させることもある。命令が出される過程に何らかのカタチで参画すれば、だれでもその命令を守る気になる。

命令をせず、意見を求める

 

■顔をつぶさない

・部長は、わたしを信じており、わたしがベストを尽くして、なお失敗したのは、能力不足ではなく、経験不足からだと、全員の前で言ってくれたのです。「会議が終わって、わたしは、二度と部長の期待に背くまいと心に誓いながら、胸を張って部屋を出ました」

・たとえ自分が正しく、相手が絶対に間違っていても、その顔を潰すことは、相手の自尊心を傷つけるだけに終わる。

・相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせることをいったり、したりする権利はわたしにはない。大切なことは、相手をわたしがどう評価するか、ではなくて、相手が自分自身をどう評価するか、である。相手の人間としての尊厳を傷つけることは、犯罪なのだ。

顔を立てる

 

■わずかなことでもほめる

・ほめことばは、人間に降り注ぐ日光のようなものだ。それなしには、花開くことも成長することも出来ない。われわれは、事あるごとに批判の冷たい風を人に吹き付けるが、褒め言葉という温かい日光を人にそそごうとはなかなかしない。

・人を変えようとして、相手の心のなかに隠された宝物の存在に気づかせることが出来たら、単にその人を変えるだけでなく、別人を誕生させることすらできるのである。

わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心から褒める

 

■期待をかける

・これまでの週一回一日二時間では時間が少なすぎませんか。時々手入れすればよい仕事に、ときには30分ほども余分に時間を描けたいと思われることがありましたら、どうぞご自由に時間を延長してくださって結構です。もちろん、その分の給料は加算させてもらいます。

→その結果、時間の延長はゼロだった。

期待をかける

 

■激励する

激励して、能力に自信を持たせる

 

■よろこんで協力させる

  1. 誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけ考えよ。
  2. 相手に期待する協力は何か。明確に把握せよ。
  3. 相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
  4. あなたに協力すれば相手にどんな利益があるか?
  5. 望みどおりの利益を相手に与えよ。
  6. 人にものを頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ。

よろこんで協力させる

 

■幸福な家庭をつくる7原則

  1. 口やかましくいわない
  2. 長所を認める
  3. あら探しをしない
  4. ほめる
  5. ささやかな心づくしを怠らない
  6. 礼儀を守る
    1. 不愉快な気分な自分だけでたくさんだーーー他の者まで不愉快になられては、たまったものではにというわけだ。
    2. 百万の富をつくるよりも、優しい妻と平和な家庭を築く方が、男にとっては、はるかに意義のあることだが、家庭円満のために真剣な努力を傾ける男は、百人に一人もいない。人生で最も重大なことを、成行きに任せている。妻に対しては、強圧的な態度をとるよりも、優しい態度を示すほうがよほど有効なのに、男はなぜ後者を選ばないのか、女には理解できない。
    3. 妻を思いのままに動かす術を、夫は皆知っているはずだ。少し褒めてやれば妻が満足することを、夫は承知している。
  7. 正しい性の知識を持つ

 

話し方入門

読書目的

話下手を改善したい。

本まとめ

■勇気と自信を養う

・スピーチの魔力:「開演2分前には、話し始めるより鞭で打たれたほうがましだと思うのに、終了2分前になると、話を止めるくらいならピストルで打たれたほうがよいと思うほどです」という人さえいる。

・話そうとする内容を知り尽くす。

・テーマについて、十分に考え構想を練り内容を熟知していない限り、人を前にして心の平静を保つことはできない。盲人が盲人の手を引くようなもの。

・あえて自信ありげに振舞う

・どんな時代どんな国でも、勇敢さは常に賞賛の的。だから、胸のうちでは心臓が破裂しそうでも、堂々と大股で進み出て落ち着き払って正面を向き、そしていかにもスピーチを楽しむかのように振舞うこと。

・背筋をしゃんと伸ばし、聞き手の目を真っ直ぐに見つめる、そしてそこにいるだれもがあなたに借金をしているのだと考えて自信たっぷり話し始めるのです。本当にそう思ってみること。

・演技が現実になる。実際は勇気をもっていない勇気を持っているかのように行動する。まさにそのことだけで勇敢になれるのだ。これはまぎれもない事実である。

・メッセージが問題なのだ。話の内容に全身全霊を傾けること。それを隅々まで我がものにし、それに思いを込める。

・1にも練習、2にも練習。練習以外にない。

 

■自信は用意周到な準備から

・ウェブスターにいたっては聴衆の前に立つのに、準備が半分しかできていないよりは衣服を半分しか身に着けていない方が、まだましだと言っているくらいだ。

・あなたの思い、あなたの考え、あなたの信念、あなたの望みを、組み立てることなのだ。

・スピーチの準備とは、考えること、さらに深く考えること、思い出すこと、最も心を惹かれるものを選び出すこと、それらに磨きをかけて一つのパターンにまとめ、あなたの独自のモザイク模様を作ることだ。

・絶えずじっくり考えて、その結果、心にうかんだこと全てを書き留める。それを続ける。何も急ぐ必要はない。これは、あなたの職業上許された、最も重要な知的作業の一つであり、これこそが、あなたの心を真剣に想像力のあるものに育て上げる道なのだ。

・最初の原稿の校正を繰り返すより毎日新しいスピーチをするほうが楽だと思えるほど、何度も草稿を見直し、書き改めたといいう。こうしてスピーチのテーマは彼の心のなかで、どこまでも大きく広がっていった。

・リンカーン:奴隷制や連邦について語るとき、彼には途方もない力が宿る。それはなぜか? 彼がその問題について常に考え続け、深く心を動かしていたからにほかならない。

・テーマは前もって決めておく。そうすれば空き時間に考えをめぐらすことが出来る。7日間熟考し、7晩その夢をみる。寝る前、その日の最後に考えるのもそのこと。翌朝ひげをそりながら、入浴しながら考え、街へ向かう道すがら、エレベーターを街ち、昼食の来るのを待ち、約束の時間を待つ間考え、アイロンかけや夕食のしたくをしながらも考える。友人とそのテーマについて議論し、雑談の話題にするのだ。

・準備の段階で聞き手となる人々のことを研究する。彼らが必要とするもの、願っていることについて。それによって、戦いの半分はすでに終わっていることも、時にはあるのだ。

・町の図書館に出かけ、館員にあなたの要望を伝えよう。これこれのテーマでスピーチを準備していると話す。素直に助けを求めよう。調査に不慣れな人なら、館員が実に頼りになるのにきっとびっくりするだろう。

・百集めて、九十を捨てるその心意気

・実際に使える以上に、多くの素材、多くの情報を収集すること。自信を増し、話を手応えあるものにするために。

・手がけている商品のことをAからZまで知っていれば、ちょっと口では説明できないような思い入れも心の中に生じてこようというもの。そんな時のあなたの心は、まさに充実し活力がみなぎり、気迫に満ちているに違いない。この人にはとても逆らえない、勝ち目はないと相手は感じるのではないだろうか。

・ターベル女史はなぜ、記事に使える量の十倍にも及ぶ情報を集めたのでしょうか? それが、自分に余力を与えてくれると思ったからである。実際に記事として読者に紹介出来る知識わずかでも、自分が知っていて表に出さないいろいろな情報は、実際に表に出たわずかなものに迫力を与え、色彩を添える、ということに彼女は気づいていたのだ。

・話し手が、頭にも心にも本物のメッセージ(話さずにいられないもの)を持っているとき、そのスピーチは成功したも同じである。十分準備されたスピーチは、それだけで9割がた完了したといえる。

・本当の準備とは、自分自身の中から何かを掘り出すこと、自分自身の思想を集めて組み立てること、自分自身の信念を大切に育てることだ。

・テーマを早めに決め、空き時間にそれについて考えを深めよう。

・実際に使おうと思うものより、沢山の素材を集めること。

 

■有名演説家はどのように準備したか

・スピーチは目的地を持った航海ですから、海図は欠かせない。目的地も知らずに出港すれば、どこにも行き着けないのが普通。

・最初に出した町の規模の話にもどって、言い忘れたことを付け足そうとでもいうのでしょうか? いいえ、とんでもない。彼は、ある話題について全て語り終えてもうもどる必要がなくなるまで、そこを離れません。

・数字をあげる。次にそれを視覚化してみせる。→数字は忘れられるかもしれないが、浮かんだイメージは焼き付いて離れない

・スピーチ構成方法

  1. 事実を述べる。
  2. それを出発点として議論する。
  3. 行動を呼びかける。
  1. 問題点を挙げる。
  2. その改善策を示す。
  3. 行動を呼びかける。

・話し手は自分のテーマについて熟知していなければならない。それについてありとあらゆる事実を集め、整理し、検討し、咀嚼するべきである。資料は、テーマの一側面だけでなく、別の側面、いや全側面から一つ残らず集めてくる。そして、それらが事実であって、単なる憶測や独断でないことを確認する。たった一つでも自明のこととしてやり過ごしてはならない。

 そのためには、すべての事項を調べ検証する。なるほど、これは骨の折れる作業である。だが、そんな苦労とて何ほどのものだろう、他人に向かって指導し、教授し、助言しようという時に。権威者として人前に立とうという時に。

 事実を収集し整理したなら、そこから必然的に導き出される結論を自分の頭で考えだす。そうすれば、スピーチは独創性と個性を得て、生気を帯び人を動かさずにはおかないものとなろう。話し手自身がそこにいるからだ。あとは、まとまった考えをできるだけ明確に論理的に書きだしておくこと。

ルーズヴェルト流:まず事実をすべて掘り起こし、評価し、結果を見定め、自分の結論に達し、揺るぎない自信を得る。

ルーズヴェルトいわく、「猛烈に努力し、判断力を駆使し、細心のプランを立て、長期にわたる準備作業をすることなしに、何事かを成し遂げることなど私にはとてもできない」と。

・スピーチを学ぶ多くの人が、テープレコーダーに向かって口述し、それを自分の耳で聞くのは、目の前が明るくなるようだと言う。目の前が明るくなる? その通り。そしてまた目の前が暗くなって、活を入れられることも、残念ながらなきにしもあらずでしょう。どちらにせよ、これは効果抜群の練習法である。

・「メモというものは、聞き手を退屈にさせ混乱させるのが落ちだ」

・メモというものは、当の話し手自身の興味さえ半減させないでしょうか? 話し手と聞き手の間にあるべき貴重な出会いや共感を阻害したり、少なくとも水を差すようなことはしないでしょうか? わざとらしい空気をつくりはしないでしょうか? またメモがあるために、話し手たるもの当然持っているべき自信と余力が、聞き手に感じ取れないということはないでしょうか? メモは緊急時の道具。

・スピーチを読み上げたり、一言一句覚えようとしたりするのはやめよう。時間の無駄だし、惨めな結果を招くだけである。

・そんなスピーチは、全体が硬直していてひややかで、精彩にも人間味にも欠ける。

・まずは、話のポイントについてよく考えてはっきりさせ、ちょっとメモをしたり、データにあたったりもする。

・言葉ではなく、ただ事実と思想を求めよ。そうすれば、意図せずとも次々に言葉が沸き上がってこよう。

・考えが固まったら、初めから終わりまで通して練習する。声に出さず胸の中で。やかんの湯が沸くのを見ながら、町を歩きながら、エレベーターを待ちながら。次に室内で一人で暗唱する。大きな声で身振りを交え、元気よく生き生きと話す練習の反復です。

・練習の際は、目の前に聴衆がいると想像してみる。想像力を総動員するのだ。そうすれば、いざ本物の聴衆を前にしても、とっくに経験済みだと思えるに違いない。

・24時間のうちたった3時間を有効に使うこと、それがダーウィンを有名にした。

 

■記憶力を増進する

・「記憶の自然法則」:印象づけ、反復、連想

・記憶したいと思うものについて、深くて鮮明、そして持続性のある印象を得ること。そのためには集中が不可欠。

・生き生きと精力的に集中できた5分間は、ぼんやりした頭でぶらぶらしていた数日よりも遥かに生産的。

・一心不乱の1時間は、無為に過ごした数年間にもまさる

・今まで学んだことで何よりも大事なことは今取り組んでいる仕事に集中すること、これである。

・絵にして覚える。一度描けば、目を閉じればいつでも浮かんでくる。

・反復。記憶したいことを実際に使うこと、応用すること。話の中に新しく覚えた言葉を折り込む。人の名前を覚えたければその人の名前で呼ぶ。スピーチで取り上げたいと思う話題は、会話の中にどんどん取り入れる。使ってみた知識は定着しやすい。

・頭脳が新鮮さを失わないよう間をおいて反復する。直前に復習することで、記憶を新たにする。

・名前の覚え方:ありふれた名前なら、同じ名前の友人と結びつける。珍しい名前なら、そうやって相手にいう。名前についてのエピソードが聞ける。

・相手の容姿、服装、話しぶり、人間性について、鮮明で強烈な印象を掴んで、それを名前と結びつける。

・じっくりと観察し、正確な印象をつかむ。ぼんやりした印象のものは記憶できない。

・視覚と聴覚の両方を通じて印象を得るために、覚えようと思うものはなんでも声に出して読む

 

■スピーチの成功に欠かせないもの

・ひたすら取り組む:例えば弁護士になるという断固とした決意があれば、ことは半分済んだようなものだ

・一度の敗北はおろか、百度の敗北にもあきらめてはいけない

・「どんな分野でも、人を支えるのは情熱である。そこで成功することを心から望むだけで、それを手にしたも同然なのだ。ただ、その望みは本物出なけらばならず、あくまでそれだけを一途に求めること。」

・平凡でも、根気と一途な目的意識を持った人々が結局は頂点を極めてきた。

・成功を思うこと。頭の中で思うだけなら、そう難しくはない。自分は成功する、と信じるのだ。硬く信じたら、今度は成功するのに必要な行動を起こすことになる。

・負けたと泣き叫びーーーそして死ぬ。それはたやすい。

 尻込みし卑屈になるのもまた簡単だ。

 だが、戦うこと、望みを失っても戦い抜くこと、

 それこそ最高のゲームではないか。

 たとえ血みどろの戦いで、

 何もかも破壊され打ち砕かれ、傷だらけになっても、

 もう一度、戦いを挑んでみようーーー死ぬのはなんでもない。

 難しいのは生き続けることだ。

・学習曲線におけるプラトー(平坦部)。ねばり強く練習を続けたなら、いつの日か、飛行機のようにそこを飛び立ち、一夜にして長足の進歩を遂げた自分にある日突然気づいたに違いないからだ。

・学習の成果について思い悩む必要はない、懸命に努力するなら、「あるさわやかな朝目覚めると、同世代の仲間の中でも有数の存在になっている自分に気づく。そんな日が絶対に確実にやってくるのだ。自分の選んだ目標が何であるかを問わず」

・肝心なのは話す内容ではなく、話し方だ

 

■上手な話し方の秘訣

・自分だけのかけがえのない個性のきらめきを探し求め、それを懸命に伸ばすべきだ。

・どんなことがあってもそのきらめきを無くさいないようにしなくてはいけない。それこそ、あなたを価値ある人間にしている唯一にして本当の要因なのですから

・個性はあなたの話に力と真実味を与える

・ありのままの自分でいる勇気と立派な分別。

・思い切り自然に話す技を身につけるためのこの世で唯一の方法とは何かといえば、それは練習。

・重要な言葉を強調し、重要でない言葉は軽く言う

・私は手がけたことには全て成功してきた。なぜならそう決意したからだ。躊躇したことなど一度もない。だから人より優位に立つことが出来たのだ。(ナポレオン)

・負けたと思ったら、あなたの負け。

 何としてでも勝とうと思わなければ、勝てない。

 勝ちたいが勝てないなどと思っていたら、

 ほとんど確実に負けだ。

 人生の戦いでは、

 いつも強い人、速い人が勝つとは限らない。

 しかし、遅かれ早かれ勝利をおさめるのは、

 自分が勝てると思っている人だ。

・話す速度を変える

・重要なポイントの前後に間を置く

・自然な話し方をすれば、あなたはこの世のだれとも違う独特の話し方をすることになる。自分の個性、自分独自の手法をスピーチに盛り込もう。

 

■話し手の態度と人柄

・大切な話をしなければならない時は、食欲に用心しよう。聖者のように控えめに食べること。

・食事をたっぷりと済ませて立ち上がった一時間後では、自分自身にも、話のテーマにも、自分の身体にも、それぞれの持ち味を十分発揮させることが出来ない。

・エネルギーを鈍らせることを避ける。エネルギーは聴衆を惹きつける力。活力であり、元気であり、意気込みである。

・自分が身だしなみよく、非の打ち所のない装いをしていることを自覚し意識していると、説明はしにくいが、はっきりとした効果がある。それだけで自信がわき、自分に対する信頼が増し、自尊心が高まる。

・いつも話始める前に聴衆に2分間席をたって休憩してもらい、その間窓を開け放すことにしている

 

■スピーチの始め方

・人はあらゆる手段を使って、考えるという労苦を免れようとする。

 

■スピーチの終わり方

・3〜5分の短いスピーチでも、話し手があまりに多くのことに触れようとするため、聞き手は話が終わるころになっても要点がはっきりつかめないことがある。ところが、それに気づく話し手はほとんどいない。話し手自身の頭のなかでは要点がはっきりわかっているので、聞き手にもはっきりわかっているものと思い込んでしまう。しかし、決してそうではない。

・たくさんのことを覚えてはいるが、何一つ明瞭には覚えていない。

・聴衆がもうそろそろ終わってほしいなと考える前に終わろう。

 

■わかりやすく話すには

・ほぼ50万平方マイルーーーこれは一般の人にとっていったいどんな意味があるか? ほとんど何の意味もない。その数字を聴衆がよく知っているものにたとえて行ったほうが良かったのではないか? いっそのことアラスカを、いま聴衆を前に話をしている当のこの町を基準にして説明してみてはどうか? 「アラスカはわがミズーリ州の八倍の広さがあります。しかし人口は何とこのフォレンズバーグのわずか13倍にすぎません。」

・聴衆の中の一番賢くなさそうな人を選んで、その人があなたの話に興味をもってくれるように頑張ってみる。そのためには、事実をわかりやすく話し、明快に理論づけることがどうしても必要になる。

・視覚に訴える:目から脳に通じる神経は、耳から脳への神経の何倍も太くできている。私たちは目から得た情報に対しては耳から得た情報の25倍の注意を払うことが研究の結果わかっている。聞き手によく分からせたいと思うなら、話の要点を絵に描いて、あなたの考えが目に見えるようにしましょう。

・具体的に、明確に、特定して話すこと。このように具体例を挙げて話すと、わかりやすいだけでなく、感銘を与え、納得させ、楽しませることにもなる。

・自分の話したいことが頭の中で真昼の太陽のように明確になっているかどうかをまず確かめる。

・大事なことは繰り返す。ただし、同じ言葉をそのまま繰り返してはいけない。言いまわしに変化を加え、話の内容だけを繰り返して、聞き手にそれと気付かれないようにする。

・抽象的な話は、後から一般例を示してわかりやすくする。更には具体例も挙げればいっそうよい。

・あまり一度に多くのことに触れようとしてはいけない。短いスピーチの中で適切に扱うことができるのは、大きなテーマのせいぜい一つか二つの側面までだ。

・最後に自分が話したことの要点をまとめる。

 

■聴衆に興味を起こさせる方法

・人間にとってこの世で最も関心のある3つのことーセックス、財産、宗教。セックスによって私たちは生命を生み出し、財産によってそれを維持し、宗教によって来世に希望をつなぐ。

・故ノースクリフ卿は、人間の関心を呼ぶものは何かと尋ねれれた時、一言、「自分自身」と答えた。

・非常に多くの人が座談下手なのは、自分に関心のあることばかり話すからだ。そんな話は相手にとってはうんざりするほど退屈なのだ。やり方を逆にしよう。相手にとって関心のあること、その人の仕事、その人のゴルフスコア、その人の成功談ー母親だったら、彼女の子供の話ーをしてくれるように仕向けるのだ。そうしてそれを熱心に聞いてあげれば、相手を喜ばせることになる。結果的にあなたは、それほど話をしたわけでもないのに、話し上手ということになる。

・あなたが知っているふたりの人のことを話してください。ひとりがなぜ成功し、もうひとりはなぜ失敗したか、話してみてください。私はそういう話ならよろこんで聞くでしょうし、それを心にとどめ、教訓にするでしょう。

・要点を2つか3つに絞って、具体的な事例示す。出来ればそれに、苦心談、つまり何かを求めて悪戦苦闘し、ついに勝利を得たという話を盛り込むべきだ。

 

■言葉づかいを改善する

・私たちは毎日の話しぶりによって判断されている。言葉には話す人の品性が現れるもの。聞く人が聞けば、どういう人と付き合っているかということまでわかる。言葉は教育と教養の証。

・母国語を美しく使いこなす能力を身につけること。

・リンカーンは自分と知能程度が同じか、自分より劣る人とつきあうことで自分の時間の全部を浪費するようなことはしていなかった。

・書物! ここに秘密があるのだ。言葉を豊かにし、語彙を増やしたいと思う人は、絶えず頭を文献という大きな桶の中に浸し、かわをなめさなければならない。

・我々がモーゼ、プラトン、ミルトンを偉大であると考える最大の理由は、かれらが書物や伝統にとらわれず、また、人が言ったことではなく、自分自身の考えを語っているからだ。人は吟唱詩人や賢人ぶった連中のいう天空の輝きよりも、自分の心のなかにひらめく閃光の存在に気づき、それを見守ることを学ぶべきだ。

・文豪ゲーテは次のように言っている。「何を読んでいるか言ってごらんなさい。そうすればあなたがどういう人間なのか教えてあげよう。

・知らない言葉に出会ったらメモ帳に書きつけておく、そして、就寝前に辞書にあたってその言葉を自分のものにする。これらの新しい言葉を小さな手帳に蓄積しておいて、昼間のひまひまに復習する。言葉は3度使えば自分の語彙として永久に身につく。

・一流の散文や詩を読むこと。そして、自分の文章を批判的にながめて、ありふれた語句や使い古された言い回しを取り除いていく

自分の時間

読書目的

いろいろなことをやりはじめると、時間が足りなくなる。時間に対する考え方を知る。モチベーションを維持する。

本まとめ

■「自分の時間」再発見

  • 早起きが睡眠不足を招くとは私には思われない。睡眠というのはある程度は習慣の問題である。たいていの人は、他に楽しみ方を知らないので、出来るだけ長く眠っているのだと私は思っている。
  • ある医者の答え。「たいていの人間は眠りすぎてバカになってるのさ」さらに続けてこの医者の言うには、10人のうち、9人の人間は、ベッドで過ごす時間を減らせば、もっと健康になり、もっと人生を楽しめるだろうとのことだった。
  • 朝の1時間は夜の2時間に匹敵するのだ。
  • 次のように自分に言いつづけない者、言ったことのない者があろうか、「もう少し時間が出来たら、あれを変えてみよう」と。もっと時間が出来るわけなどないのだ。われわれには今あるだけの時間しかなく、それはいつだって変わらないのだ。

■1日24時間の枠を最大限に活かす心構え

  • 失望や幻滅を味わってもくじけいないだけの心構えができていないのなら、つまり、疲労が多くて報われることが少なくても不満を感じないだけの覚悟が出来ていないのなら、最初からやらないほうがいよい。
  • しかし、なすべき価値のあることをやる前には気をひきしめてかかることが絶対に必要であって、私自身は、こうした精神の緊張は嫌いではない。炉端で寝そべる猫と私の違いは、主にこの点にあるように思う。

■自分の精神・肉体を養うための「内なる1日」

  • 1日の3分の2の時間を、3分の1を占める勤務時間に単に付随している時間に過ぎないとしてしまうなら、完全に充実した一日を過ごすことなど、どうやって望めようか。望めるわけがない。
  • 「知的能力」は疲れることをしならない
  • 頭の中で、1日の中にもう1つ別の1日を設けるようにしなければならない。→「内なる1日」
  • 「内なる1日」は夕方6時に始まって翌朝の10時に終わるのだ。16時間の1日。
  • この16時間の間はすべてのものから解放されている。給料を稼いでくる必要がない。金銭上の問題に気をとられることがない。働かずとも食べていける人と同じような、結構な身分なのだ。これこそ1日に対する心構えでなければならない。そして、心構えがなによりも大切なのだ。充実した人生(莫大な遺産を残すよりもはるかに大事なことであるが)が送れるかどうかは、こうした心構え次第で決まる。
  • この16時間に全精力をつぎ込んでしまっても、能率は落ちない。むしろ確実に能率は上がる。
  • 大多数の人たちが知らなければならない重要なことのひとつは、知的な能力はたえざる激しい労働にも耐え得るということである。必要とするのは、対象の変化だけである。・・・休息ではない。

■1日90分は必ず心をたがやす時間に使え!

  • 「夕方6時に自分はまだ疲れているわけではないのだ」という事実を直視し、受け入れるということだ(事実、あなたは疲れてはいなのだから)。
  • まず手始めに、一晩起きに一時間半、なにか精神の向上になるような意義のあることを、継続してやってみてはどうだろうか。
  • この90分間は神聖な時間でなければならない。劇のリハーサルやテニスの試合同様、なにがなんでも確保しなければならない。

■情熱と活気に満ちた一週間をつくる秘訣

  • 毎朝の30分が自分の中に奇跡を起こす
  • 例えば、毎朝毎晩十分間だけ体操しているとしよう。そのおかげでその日1日の体調がすこぶるよく、ますます丈夫になり、やがて体つきそのものまで見違えるほど頑健になったとしても、あなたは少しも驚くまい。それなら、毎日平均1時間あまりの時間を精神を豊かにするようなことに使い、そのために、あらゆる精神活動が活気をおび、それがいつまでも続いたとしても、どうして驚くことがあろうか。

■思考を集中するひとときをもつ

  • よく集中力が足りないと嘆く人がいるが、その気にならなければそれは身につけられるのだということを知らないのだ。
  • 集中力がなければ(つまり、頭脳に仕事を命じ、頭脳を従順に従わせる力がないと)本当に充実した生活は出来ない。
  • 家を出たらひとつのことに集中してみよう。はじめはそれが何であってもかまわない。10メートルも行かないうちに、あなたの思考はあなたの監視の目をのがれて角を曲がり、他の事柄と戯れていることだろう。
  • そいつの首根っこを掴んで元へ引き戻すのだ。駅につくまでに40回もそれを繰り返すことになるだろう。しかしくじけてはいけない。やり続けるのだ。そうすれば、やがてうまくいくようになる。辛抱強くやっていれば、必ずできるようにあんる。
  • 自分は集中してものを考えられないのだといってあきらめてしまうのは、怠惰なのだ。
  • この集中力を高める練習は通りを歩きながらでもできる。電車の片隅に腰掛け、パイプをふかしながらでもできるし、地下鉄のつり革につかまりながらでもできる。
  • あなたが集中できるのなら、対象は何であっても良いと思う。大事なのは、ものを考える機会を訓練するということなのだから。
  • なにか役に立つものに集中すればよい。提案:マルクス・アウレリウスとかエピクテトスの短い1章というのどうか。
  • ぜひやってみていただきたい。自分の思考をコントロールするのだ。そうすべく努力しているうちに、人生の厄介事の半分は取り除かれてしまう。特に、避けようと思えば避けられるのになかなかそうはいかないあのみじめで忌まわしい病気、すなわち、取り越し苦労がなくなってしまう。是非自分で確かめていただきたい。

■「内省的な気分」を大切にする

  • 集中してものを考える訓練(これにはすくなくとも毎日30分は割かなければならない)は、単なる準備段階であって、ピアノでいえば音階練習のようなものである。
  • われわれは自分のことを振り返って考えることをしない。つまり、自分の幸福とか、自分の進もうとする道、人生が与えてくれるもの、いかに理性的に決断して行動しているか(あるいは、していないか)、自分の生活信条と実際の行動の関係など本当に大切な問題について、自分というものを見つめることをしていない。
  • いくら本を読んでも、やはり自分をしっかり見つめることは必要である(自分を見つめるというのは、はなはだ狼狽させられる作業ではあるが)。

■「もののわかる心」を持つこと

  • 人生とはすなわち好奇心であり、この好奇心を満たすものは日常の習慣や生活の場にあふれている。そして、好奇心を満たすということは、もののわかる心をもつということにほかならない。

■読書好きなあなたへ・・・人生に大きな「利息」を生むアドバイス

  • 想像力豊かな詩を読むときには、小説を読む場合よりもはるかに頭を使うことを要求される。おそらく、あらゆる文学の中で一番意識的に頭を使わなければならないだろう。
  • 詩は最も崇高な喜びを与えてくれると同時に、最も深い知識を授けてくれる。要するに、志にまさるものはないということだ。ところが、残念なことに、大多数の人は詩を読まない。
  • 題名を「オーロラ・リー」といい、作者はE・B・ブラウニングという。

■私自身の”精神的血肉”を作ってくれた貴重な本

  • 自分の習慣を変えるには、全部変えようなどという大きなことをしなくても、一週間に7時間か8時間変えればよい。すなわち、一日に割れば一時間ぐらい変えることによって大きな変化が起こるのである
  • 彼は、自分が旅行するときは、マルクス・アウレリウスの「瞑想録」を手から離したことがないと言っている。

小さなチーム、大きな仕事

読書目的

友人のオススメ。新事業開発のモチベーション維持のために。

本まとめ

  • はじめに
    • 彼らはフォーチュン500に売り込む必要があるという。知ったことか。僕たちはフォーチュン5000000に売っている。
  • IGNORE the REAL WORLD:現実の世界なんて無視しよう
    • 彼らは他人を彼らの墓に引きずり込もうとしている。あなたが希望と野心にあふれていれば、そのアイディアは不可能だと説得しようとするだろう。時間の無駄だと。信じてはいけない。そういう世界は彼らにとってはリアルかもしれないが、あなたがそこに生きる必要はない。
  • SCRATCH YOUR OWN ITCH:あなたに必要なものを作る
    • すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。自分の知っているものをデザインするのなら、作っているものがいいかどうかすぐに判断がつく。僕たちは自分たちに必要な物を作ったまでだ。
    • 自分で欲しいものを作れば、自分で作っているものの品質を、直接すばやく、代理を通さずに評価できる。
  • START:まずは作り始めよう
    • キューブリックは、不慣れなら作り始めることが必要だと知っている。一番重要なのは、始めることだ。だからカメラを手に取り、録画ボタンを押し、撮り始めなければならない。
  • DRAW a LINE IN THE SAND:一線を画す
    • パンが売り切れてしまうと、店を閉めます。午後にパンを仕入れることも出来るのですが、朝の焼きたてパンのように美味しくはありません。パンがよくなければ、少しばかり余分にサンドイッチを売っても意味はありません。少しのお金は、自慢できない食べ物を売ることの埋め合わせにはなりません
  • DECISIONS are PROGRESS:決断することで前に進む
    • できるだけ「これについて考えよう」ではなく「これについて決断を下そう」と思うことだ。決断する姿勢を持つことだ。完璧な解決を待たず、決断して前進するのだ。
    • 決断に決断を重ねる流れに入ると、勢いが生まれ、モチベーションも高まる。決断は進歩だ。あなたが決めた一つ一つのものは、あなたの土台の一部となる。「あとで決める」を積み重ねていくことは出来ないが、「決断したこと」を積み重ねていくことは出来るのだ。
  • FOCUS ON WHAT WON'T change:変わらないものに目を向ける
    • 37シグナルズが焦点をあてているものは、早さ、シンプルさ、使いやすさ、わかりやすさだ。
    • 変わらない機能に焦点を当てれば、時代遅れなんて言葉は全く関係がなくなるはずだ。
  • GET IT OUT THERE!:いま、始める
    • 僕達がベースキャンプを立ち上げた当時、顧客に請求書を送ることはできなかった。サービスは月ごとの請求であったため、30日位内に請求の問題を解決しなけらえばならない。これで締め切りが見えた。立ち上げの前には一日目に重要である問題の解決に時間を使った。30日目のことは後回しでよかったのだ。
  • GET REAL!:書類上の合意は幻想
    • レポートや書類のような抽象物の問題は、合意したという幻想を生み出すことだ。何百人もの人が同じ言葉を読むことができるが、頭の中では何百もの異なったことを想像している。
  • 「?」:やめたほうがいいものを考える
    • どういった問題を解決するのか?:いったん立ち止まって一体自分が何をしているのかを再確認してみるときだ。
    • これは本当に役に立つのか?:なにか役立つものを作っているのか、それともただ何かを作っているのか?
    • なにか価値を加えているか?
    • もっと簡単な方法はないか?
    • 代わりに何をすることができるのか?
    • 本当にその価値があるのか?:自分の結論に遠慮してはいけない。
  • PRODUCTIVITY←INTERRUPTION:邪魔が入る環境では生産性は上がらない
    • 邪魔が入ることで、あなたの勤務時間は「実際に仕事をしている数分の集まり」に分解してしまう。
    • あなたはひとりきりモードに入らなければいけない。一人だけの長い一続きの時間にこそ生産性は最も高くなる。
    • 半日はひとりだけの時間のためにとっておくという仕事のルールを設定する
    • 「ひとりきりモード」の成功は、コミュニケーション依存症からの脱却を意味する。この間は、インスタントメッセージ、電話、メール、そして会議を断念すること。ただ黙って、仕事に取り組む。どれだけ多くの仕事が達成できるかに驚かされるだろう。
    • あなたの一日は、仕事の中断に包囲されている。反撃するかどうかはあなた次第だ。
  • MEETINGS☠:会議は有害
    • タイマーをセットする。タイマーが鳴ったら会議は終了。そこまで。
    • 可能な限り少ない人数しか呼ばない。
    • 常に明確な会議の議題を設定する。
  • GOOD ENOUGH IS fine:解決策はそこそこのもので構わない
    • 最低限の力で最大の効果を発揮する柔道のような解決策を見つけるものだ。
    • 問題は通常、単純で平凡な策によって解決することが出来る。そこに華やかな活躍の場などない。見事な技術を披露する必要もない。ただその課題をとっとと片付けて、次につなぐ何かをつくるだけである。このアプローチでは他人の賞賛の声を聞くことは出来ないかもしれないが、必要な物は手に入れている。
    • そこそこの解決手段で仕事を進められるときはそうしよう。それはリソースを無駄にしたり、複雑な解決策を出すことができないために何もしないよりも、ずっとましな方法だ。それに後からでも、そこそこなものはとても良い物に変えることができることを覚えていてほしい。
  • QUICK WINS:小さな勝利を手に入れる
    • 仕事の「はずみ」はモチベーションの燃料だ。それはあなたを動かし続けてくれる。それがなければ、あなたはどこにもたどり着けない。
    • 各週ごとに発表した新しいことがあれば、あなたは自分のチームに士気を吹き込み、顧客には熱中させるものを与えることができる。
  • GO TO SLEEP:睡眠をとろう
    • 睡眠をとらないと
      • 頑迷になる
      • 創造性の枯渇
      • 士気の低下
      • 短期になる
  • YOUR ESTIMATES SUCK!:あなたの見積りは最悪だ
    • 一つの12週間のプロジェクトのかわりに、それを12の1週間のプロジェクトへと組み変える。30時間以上かかるタスクの見積りを考えるのではなく、まずはより現実的な6〜10時間のかたまりにタスクを分解する。それから一つ一つ取り組んでいくのだ。
  • MIKE TINY DECISIONS (→MAKE BIG) :小さな決断をする
    • 大きくて遠いゴールと壮大な実行計画の問題は、モチベーションを殺してしまうということだ。それはあなたを失敗に導く。
    • 極地探検家のベン・ソーンダースは彼の単独の北極探検(約2,000キロを72日間ひとりで)の間、「大きな決断」については考えてみるのもゾッとするほどで、日々「目の前の数メートルのわずかな氷にたどり着くこと」だけを考えたという。
    • このような達成可能なゴールは一番いいゴールだ。実際にあなたが達成し、積み上げていくことができるゴールである。「やり遂げた。完了!」と言えるところまでたどり着いたら次へと進むのだ。これは決して行き着くことがない青天井のゴールよりも遥かに満足行く方法である。
  • PICK a FIGHT:けんかを売る
    • もし競合相手が最低だと思ったらそう言おう。そうすれば、あなたに同意する人があなたの側に集まってくるのがわかるだろう。アンチでいることは、あなた自身を差別化し、人を惹きつけるのに非常に良い方法だ。
  • FOCUS ON YOU INSTEAD OF THEY:競合相手が何をしているかなんて気にしない
    • 競合他社にあまりにも注目しすぎていると自分自身の洞察力が希薄になってしまう。他の人々の考えを自分の脳に与え続けていると、すばらしいことを思いつく機会が減少していく。あなたは先見の明を持った人となるのではなく、反動的な人となる。行き着くところは、競合相手の製品を異なった包装であなたが提供するということだ。
    • たとえ敗北に終わったとしても、単に他を真似るのではなく、あなたが信じていることで戦ったほうがいいのだ。
  • SAY NO:基本的に「ノー」と言おう
    • 「イエス」と答えるのはとても簡単だ。さらなる機能の追加に、あまりにも楽観的な締切に、可もなく不可もないデザインに「イエス」と答える。あっという間に、あなたが本当にしなければいけないことが見えなくなるくらい「イエス」と答えたものが高く積み上がってしまう。
    • 自分の最高のアイディアに対してさえも、「ノー」と言う習慣をつけよう。優先順位をはっきりさせるめに、「ノー」と断ることにより生まれる力を利用しよう。「ノー」といっても後悔することはめったにないが、「イエス」と言って後悔するはめになることはしょっちゅうある。
    • だからと言って「ノー」とばかり言う嫌な奴になってはいけない。ただ正直でいるのだ。
  • LET YOUR CUSTOMERS OUTGROW you:顧客を(あなたよりも)成長させよう
    • 新規顧客を恐れさせて遠ざけてしまうことは、昔からの顧客を失うことより悪いと僕らは考える。
    • 小さくて、シンプルで、基本的なものへのニーズは不変だ。まさにそれを必要としている顧客の供給は際限なくある。
    • 人も状況も変化するため、全員に対して全てを提供することはできない。あなたの会社はニーズがころころ変わる特定の個人よりも、あるタイプの顧客に忠実である必要がある。
  • FAKE FAKE FAKE:造花が好きな人はいない
    • 欠点を見せることを恐れてはいけない。不完全さはリアルであり、人はリアルなものに反応するのだ。
    • どのように思われるか、どのように振舞うべきか、あれこれ心配する必要はない。すべてありのままの本当の自分を世界に見せればいい。
    • だからあなたらしく語ろう。他の人が話題にしたくないようなこともはっきりと見せるのだ。欠点を隠さず、出来上がってなくても、今取り組んでいるものの一番新しい形を見せるのだ。完璧でなくても大丈夫。「プロフェッショナル」の顔がなくなったとしても、面白みと親近感のある顔を作れるのだ。
  • emulate DRUG DEALERS:ドラッグの売人の方法は正しい
    • ドラッグの売人は、抜け目のないビジネスマンだ。
    • この姿勢を真似てみよう。自分の商品を、少し無料で使ってもらっても後で現金で回収ができるほどいいもの、熱中してもらえるもの、「手放せないもの」に変えるのだ。
  • DIY:自分でやろう
    • まず自分自身でやってみるまで、誰かを雇ってはいけない。
    • 一度やったことがある仕事にはどういう人が必要なのかわかるのだ。
    • 時には畑違いを痛感するかもしれない。全然うまくできなかったと腐ることもあるかもしれない。それでもいい。その感覚を自分で学びながら克服するのか、他人を雇って克服するかの違いだ。まずはやってみること。最初の試みを後で諦めることになっても、得た知恵は何倍もの価値となって戻ってくる。
  • 履歴書はばかばかしい
    • もし誰かが300もの会社に履歴書を送っているのであれば、それは赤信号だ。応募者はあなたの会社について調べてはいないし、あなたの会社と他がどう違うのかも知らない。
    • あなたが雇いたいのは、あなたの会社、製品、顧客、そして仕事自体に興味を持っている特別な人間のはずだ。
  • WHAT DOES 5 YEARS EXPERIENCE MEAN anyway?
    • 驚くべきことに半年の経験と六年の経験は大差ない。本当の差は、応募者自信の熱意や個性、知性に表れる。
    • 経験の長さは過大評価されている。大切なのは、どのくらい質の高いことをしていたのかだ。
  • HIRE MANAGERS of 1
    • 雇うべき人というのは、ゼロからプロジェクトを立ち上げてやり遂げるような人だ。もしそうした人がいると、プロジェクトチームのほかのメンバーは仕事が今以上に進み、管理すべきことも少なくなるのだ。
  • 社員をテストドライブする
    • 必要なのは、今から何が出来るかを評価することであって、過去に何をしていたかではないのだ。
  • 文句は放っておく
    • 覚えておくべきことは、ポジティブな意見より、ネガティブな意見のほうがうるさく情熱的であることだ。多くの顧客が変化に満足していても、マイナスな意見しか聞こえてこないかもしれない。議論の的になったからといって、バカみたいに後退しないことだ。
    • 人が文句をいう時は、しばらく放っておくことだ。聞いていることを示し、不満を理解していることも知らせよう。だが、しばらく様子を見てみたいとはっきり言うことだ。たいていの場合、人はいずれ自分たちで変化に適応する。一回新しい方針に慣れればその方が前より良いと思うものだ。
  • CULTURE IS THE BY-PRODUCT of CONSISTENT BEHAVIOR:文化とは普段の振る舞いの副産物だ
    • 本物の文化は緑青のようなものだ
  • decisions are Temporary:決定は一時的なもの
    • 多くの「もしも」は起こらない。
    • 小さいチームの利点は方針をすぐ変えられることだ。大きな会社と違い、素早く動けるのだ。だからこそ、「今日」に視点を合わせ、明日のことは明日考えればいい。そうしなければ、時間やエネルギーを起こりえない問題に注ぐことになってしまう。
  • SOUND LIKE YOU:あなたらしく
    • 見かけだけのプロ精神なんてバカげている。わかりきっていることだ。
    • あなたらしくていけないことはない。正直であることもスマートなビジネスにつながる。言葉は第一印象だ。なぜ嘘から始める必要がある?自分自身であることを恐れてはいけない。
    • 顧客と話すときには友人と話すようにしてみよう。隣に座っているかのうように説明しよう。
    • 「マネタイズする」とか「透明性を保つ」ではなく、「儲ける」や「正直でいる」というふうに。
    • 書き物は格式がなければいけないなんてことはない。誰があなたの正確を押し殺した書き方をしろと言った?
    • あなたの言葉を読むであろう人たち全員のことを考えながら書いてはならない。一人のことを考え、その人のために書こう。
    • ターゲットを定めれば、言いたいこともまとまってくるだろう。
  • 「なあるたけ早く」は毒
    • どんな要請の終わりにもいちいち「なる早で」と付けていたら、すべての要請が最重要だと言っているのと同じだ。もしすべてが最重要であるのならば、何も最重要ではないということになってしまう。
  • ひらめきには賞味期限がある
    • ひらめきは永遠に持続できるものではない。果物や牛乳のように賞味期限がある。
    • 何かしたいことがあれば、今しなければいけない。しばらく放っておいて二ヶ月後に取りかかるというわけにはいかない。「後でやる」とはいえない。「後で」ではそんなにやる気満々でもないだろう。
    • もし金曜日にひらめいたら、土日を返上してプロジェクトに専念するのだ。インスパイアされている間は24時間で2週間分の仕事ができるものだ。そういう意味ではひらめきはタイムマシンだ。
    • ひらめきとは不思議なものだ。生産性を高め、やる気をあおる。だが、待っていてはくれない。ひらめきとは「今」のものだ。もし、虜にされたらなら、逆に仕事に専念することだ。

最新携帯電話業界の動向とカラクリがよーくわかる本

読書目的

クライアントの業界を知るために。

本まとめ

・携帯電話販売店は、端末販売による粗利のほかに、販売奨励金という通信事業者からの支援金を得ている。

・販売奨励金は、端末販売の際に支払われる販売インセンティブと、回線契約が継続する限り販売店に支払われる継続インセンティブの大きく二種類に分類される。この他は、一定台数を売るごとに支払われるボリュームインセンティブがある。

・通信事業者直営店:docomo, auは直営店を減らし続け、現在はともにゼロとなった。逆にソフトバンクモバイルは直営店を増やしている。

ビックカメラとヤマダ電機もMVNO(UQコミュニケーションズ)

・ユニークなMVNOの例:象印のマホービン「みまもりほっとライン」

・携帯電話は、いまや一人一台に迫るところまで普及しているが、今後も微増ながら加入契約数は増加していくと見られる。携帯電話業界は、これからも成長を続けていく業界。

・市場シェアの約半分をNTTドコモが占めており、残りのユーザーをau, ソフトバンクモバイル、その他事業者で奪い合っている状態。

・加入者契約数は日本の人口をも超えていく可能性がある。

・UQコミュニケーションはKDDIが中心となって出資し、設立された会社。

・携帯電話を使い続けるユーザーがいる限り、安定した収益を得ることが出来るのが通信事業の最大の特徴で、一般的には景気なの影響を受けにくい業界といわれている。

・割賦販売の仕組みの導入により、ユーザーの携帯電話買い替えサイクルが伸びた。

・第4世代サービス:NTTドコモは下り1Gbpsという高速通信の実験を成功させている。

・研究者達は、聴覚、視覚のみでなく、食感や嗅覚までも通信出来る将来ビジョンを描き、研究に取り組んでいる。携帯電話の進化は今後もとどまることを知らない。

・現在では携帯電話を新規契約で販売することよりも、既存ユーザーの買い替え対応、修理受付や契約内容の変更といったカスタマーサポートとしての役割が販売店に求められるようになってきた。

・同時に通信事業者も、それまで自ら行なっていたカスタマーサポート業務を、徐々に販売代理店へと移行させていくようになった。

・現在では携帯電話販売店の数は減少傾向にあり、下位の販売代理店は次々と撤退している

・1次代理店は大量の携帯電話端末を仕入れ、在庫として取り扱うために、豊富な資金を必要とする

・1次代理店の役割

  • 販売や卸業務
  • 通信事業者が展開する各種販売施策などの参加販売店(2次店以下)への展開
  • 販売員教育研修なども行う
  • 通信事業者にたいしては傘下代理店の管理監督責任を負う

・2次代理店は、自社で携帯電話端末の販売を行う他、3次店への卸業務も行う。

・2次店は、複数の1次店と取引するケースもある。

・通信事業者は、1次代理店と翌月以降の販売計画や販売数の商談(契約)を毎月行う。この中で、当該事業者の拡販を目的に販売数や各種サービスの獲得目標を定め、販売奨励金の支払額の決定を行う。

・通信事業者から1次店への手数料は前月に決めた商談により支払われ、販売奨励金は翌月以降に販売実績(傘下代理店を含めた実績が1次店の数字となる)などに基づいて、1次店に支払われる

・1次店から2次店への販売奨励金の支払は手数料の計算に手間がかかるため、2次店へ携帯電話を卸すさいに販売奨励金分を相殺した卸価格としているケースが多い

・端末販売1台あたりの粗利はたったの数千円というケースが多い。

・携帯電話ショップはキャリアショップと併売店に分類できる。

・キャリアショップ:「販売業務」からユーザーへの「サポート業務」にその役割がシフトしつつある。

・併売店:端末の販売のみを行い、契約に伴う各種変更手続きなどは行わない。

・端末の割賦販売が普及してきた現在では、併売店にとってはキャリアショップと価格差をつけることが難しくなってきた

・結果的に、併売店の経営は厳しいものになりつつある → キャリアショップと協業して各種変更処理の取次をしたりして、なんとか顧客離れを食い止めようとしている

・派遣社員が多い販売店の実情:店長や管理職以外は大半が派遣労働者。店長は採用と教育研修に追われる。

・携帯を売る量販店:家電量販店、カメラ量販店、総合スーパーなど。

・端末販売が割賦方式になり、量販店とキャリアショップの価格差がなくなってきたため、一般顧客の端末購入先は量販店からキャリアショップへ移行しつつある。

・量販店の携帯電話端末の仕入れは、主に商社系・メーカー系の大手一次代理店からか、もしくは携帯電話事業者からの直接仕入れとなっている。☆でんきちもau, docomoは直接といっていた

・特にSB、Emobile、Wilcomは直売が多い(ヤマダ電機、ヨドバシなど、ほかにも)

・大手販売代理店のほとんどは商社系代理店

・1地販売代理店のリスク:1次店から2次店へ携帯電話端末を卸す価格は、1次店が通信事業者と取り決めた各種販売奨励金を反映した価格にしていることが多い。奨励金は予定販売数を達成した場合に通信事業者から1次店に支払われるものなので、販売目標が達成できない場合は1次店が赤字となるケースもある。

・メーカー系代理店:携帯電話端末メーカーをバックとして携帯電話の販売を行なっている代理店

・メーカーの携帯電話端末事業の不振が続き、事業整理によって関係会社の携帯電話販売部門まで一緒に整理の対象となって事業売却されるケースも出てきている。撤退や再編が進みつつある分野といれる。

・独立系代理店:代理店の中でも中核を占める。

 →当時はゼロ円販売など、端末販売価格を安く設定して伸びた。

 →昨今の販売制度の見直しによって、通信事業者が割賦販売法式を導入したため、端末価格に差をつけにくくなり、併売店を中心に経営難に陥るところが増えてきました。場合によっては大手商社系代理店などに事業売却するところも出てきている。

・独立系代理店同士の統合:端末の仕入れ台数や販売台数によって支払われる数量奨励金を多く獲得するため、小さな独立系代理店同士が合併やグループ化して規模を拡大していく動きが見られる。

・販売奨励金制度の見直しは、端末販売台数の大幅減少という、総務省の想定していなかった結果を引き起こした。

・従来と同じくらいの低価格で携帯電話を販売する方法として割賦販売を導入。

 →販売価格差がつけられなくなった。安さ勝負の併売店はたまったものではない

 →割賦残金があることで携帯電話の買い替えを躊躇するようになり、結果として端末販売台数は大きく減少した。業界再編が加速。

・モバイルコンテンツ市場が大きく拡大した最大の要因は、通信事業者が導入した回収代行システムといえる。

・回収代行システム:通信事業者が電話料金にコンテンツ情報量を上乗せして回収代行し、通信事業者は手数料を差し引いて情報量をコンテンツプロバイダーに支払う仕組み

・販売奨励金の例:回線契約後、ユーザーの通信利用に対して継続的に販売店にペイバックされる継続インセンティブ、端末メーカーが支払う奨励金など。

・モバイルFelicaにより、携帯電話業界はコラボレーションする業界の領域を交通業界、金融業界、流通業界へと広げていった。

・事業段階ごとの人材要件

     →新事業成長前期:営業に重点をおくことにより、デリバリーやアフターケアが追いつかず、ユーザーを混乱させるリスクも出てくる。そのため、オペレーションに長け、既存オペレーションとの共通化を設計できる人材も必要となる。

 →事業成熟/衰退期:事業を粛々とこなすだけでなく、単なる業務改善にとどまらないゼロベースの業務改革を実践できる人材が必要となる。人材のコスト構造を変えるため、海外へのアウトソーシングも選択肢となってくるので、国内と海外の間に立ち、異文化の特性をも理解しながら、業務品質をマネジメント出来る人材が求められる